同性愛というテーマの元に語られる甘酸っぱい少女たちの葛藤

「同性愛」がテーマになっていますが、本質はもっと広く、少女たちが思春期に持つ心の葛藤が描かれています。
少女たちのもどかしさは、時に幻想的に、時に生々しく表現され、
小説の中に度々綴られる比喩表現は作者の中今透様のセンスが光っていて素敵です。

そして物語は少し不思議なファンタジー要素も含み、神話や民俗学を絡めた展開がとても魅力的です。
とても構成が凝っていて、どんどんと読み進めてしまいました。


自分をさらけ出すことへの不安、人を受け入れることの難しさ。
今を生きる私たちにも共通するテーマでもありますが、希望はいつでもそこにあり、読み終わった後はふわっと優しい暖かさが心に広がる、そんな物語です。

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