喉に引っ掛かった釣り針のように

 確かな「面白い」物語の形をしながら、こちらの心臓を抉るような鋭いナイフを隠しもった作品です。
「アウティング」という問題を主軸に据えて展開される少女たちの、生傷だらけの現実。
 喉に引っ掛かった魚の小骨、あるいは釣り針のように、頭の隅に残って離れない。受け入れること、受け入れられないこと、「受け入れられないこと」を受け入れること……
 強く激しいメッセージを秘めた美しい物語、ぜひ一読を。
 

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