概要
ワタリが一族として存在していたのはせいぜい二千年までのことだったらしい
ワタリ、と呼ばれる一族があった。ふたつの世界を往き来する、渡っては戻る、帰ってこなくなるひとも居た。かれらが渡っているあいだの、ぬけがらとなったからだは、ひとみが透明に溶けて色を変えるのでわかったという。かれらは次第にひとびとと入り混じり、その血すじのもとを辿ることすらままならないけれど、いまもごくわずかに、そのすべを受け継ぐ者がふいと生まれる。
現代に暮らす〈ワタリ〉の大学生の一夏。
現代に暮らす〈ワタリ〉の大学生の一夏。
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