第15話 相談事
「ね、尚樹?一緒に帰らない?」
私は耐えきれなくなって、尚樹に助けを求めることにした。
「いいけど。お前から誘ってくるの珍しいな」
「そうかな?」
「どうせあの2人のことだろ?」
「おぉよくわかったね」
尚樹は深く頷いた。
「大変そうだったからね」
尚樹にそう言われ、私も深く頷いた。
「う〜ん、どうしたらいいんだろ」
「うーん…お前はどうしたいの?」
質問に質問で返されて、私は困り顔をした。
「どうしたいって…それがわかったら苦労しないよ…」
「まあそうだよなぁ」
「2人のこと好きとかわからないよ。好きじゃないかもしんない。だけど、振る気にはなれないし、選ぶなんてもっと無理。」
私はわかりやすく頭を抱えた。
「まあでも正直、時の流れが解決すんだろ。心の整理がついて、ちゃんと行動に起こせる時が来るだろうし、ファンのやつらだってその内いじるのも面倒になんだろ。」
「う〜ん…そう…だよね…」
そうこうしているうちに、別れ道に来てしまった。
「俺、こっちだから、じゃ」
尚樹は軽く手を振った。
「、、ありがと、じゃあね…」
私は渋々手を振り返した。
時の流れ、か…出来れば早急に解決したい。だからこそ、尚樹に相談したが、やはり時に任せるしかないのだろうか…
私は重たい足取りで駅へ向かった。
振り返り、とぼとぼ歩く菜緒の背中が見えたとき、俺は思った。
「何やってんだ、俺」
君がいた夏 白藤しずく @merume13
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