第7話 陽だまり
目を開けると、1つのベンチに颯が座っているのが見えた。
「ほら、ここ座って」
颯はベンチをとんとんと叩いた。私はキョロキョロしながら颯の隣へ行った。
「ここすごい。この高校ってこんな高かったっけ」
「あの…ほら、屋上に付いてるやつあるでしょ。ちょっと高くなってて、梯子で登るみたいな。ほら、あのThe青春みたいな。今、あれの上にいるんだよ」
「え、あれって中から登れたんだ」
「うちの学校はどうやらそうみたい」
「へぇ〜」
「ほら、早く弁当食べよ」
「うん」
「いただきま〜す」
2人の声が重なった。私がお弁当箱を開けるとすぐに
「え!うまそ〜自分で作った?」
と颯が言った。
「うん、一応」
「え、すご!手作りの卵焼きって美味いよな〜」
「食べる…?」
「え、いいの?!まじで!?やったぁ!」
颯は「いただきます」と小声で言うと、卵焼きを頬張った。
「うんまぁ〜!ちょ〜美味いよ、これ」
「ほんと?よかった」
ポカポカした陽だまりの中、私はちょっといい気分になって、大好きなミートボールを口に放り込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます