第7話 陽だまり

目を開けると、1つのベンチに颯が座っているのが見えた。

「ほら、ここ座って」

颯はベンチをとんとんと叩いた。私はキョロキョロしながら颯の隣へ行った。

「ここすごい。この高校ってこんな高かったっけ」

「あの…ほら、屋上に付いてるやつあるでしょ。ちょっと高くなってて、梯子で登るみたいな。ほら、あのThe青春みたいな。今、あれの上にいるんだよ」

「え、あれって中から登れたんだ」

「うちの学校はどうやらそうみたい」

「へぇ〜」

「ほら、早く弁当食べよ」

「うん」

「いただきま〜す」

2人の声が重なった。私がお弁当箱を開けるとすぐに

「え!うまそ〜自分で作った?」

と颯が言った。

「うん、一応」

「え、すご!手作りの卵焼きって美味いよな〜」

「食べる…?」

「え、いいの?!まじで!?やったぁ!」

颯は「いただきます」と小声で言うと、卵焼きを頬張った。

「うんまぁ〜!ちょ〜美味いよ、これ」

「ほんと?よかった」

ポカポカした陽だまりの中、私はちょっといい気分になって、大好きなミートボールを口に放り込んだ。

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