第13話 冗談じゃない

次の日。もう全てが重い。昨日あんなこと言われたから、眠れなくて瞼が重い。心が重い。そして何より空気。隣の席は、優也と颯だ。重すぎる。まだ優也しか来ていないけど、颯が来たらもう重さに耐えきれなくなってしまうだろう。


だけど、チャイムが鳴っても颯は来なかった。

「颯、今日来ないのかな」

空気が重いのに、いつもの癖でつい優也に話しかけてしまった。

「あー体調崩したって。菜緒に告った衝撃で。」

「え…そんなことある…?」

優也は、ふはっと小馬鹿にしたように笑った。

「冗談だよー」

「なんだーびっくりした」

空気の重みはどこへやら。私も自然と笑っていた。

「でも、、昨日のは冗談じゃないから。」

さっきまで私のこと小馬鹿にしていたのに、急に真面目な顔になって優也が言った。

「で、でもどうしてー?私よりかわいい子、いっぱいいるよ?」

私はさっきの明るさを取り持つように明るく言った。

「俺から見たら菜緒が一番だよ。それに顔だけで判断してない。菜緒の全部が好きなんだよ。」

優也の目は今までに見たことがないくらい透き通っていた。この目が冗談じゃない気持ちを表しているようだった。

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