06 補遺として
……以上がアリエノール・ダキテーヌさまの遺した手記の抜粋である。
臣、ペンブルック伯が、国王ヘンリー三世陛下の御意を得て、陛下の父たる、亡きジョン王陛下へと捧ぐため、まとめた。
以下、補遺として。
アリエノールさまは、ヨーロッパの大貴族アキテーヌ公の令嬢として生まれた。アキテーヌ公家は名門であり、かつ、芸術にも先進的で、アリエノールさまの祖父ギヨーム九世は、最初の
さて、アリエノールさまは、
そのジョン王であるが、アリエノールさまの手記にあるとおり、フランス国王フィリップ二世(
つけ加えて言うならば、あとはリヴァプールの港、自由都市の開設、栄えある英国海軍の創設(実際にフランス海軍を撃破した)など、見るべきものもあった。
しかし、その神聖ローマ帝国皇帝オットー四世が、ブーヴィーヌにてフィリップ二世に敗北し、全ては水泡に帰した。
その後、
結果として、
「父上と母上、そして兄上もそう呼んでくれた愛称だ」
そう言って
アリエノールさまは、幼いジョン王がそう呼ぶと返事をしてくれるので、「サン・テール」と呼んでいたらしい(晩年は「ジャン」と呼ぶようにしていたが)。
それが嬉しかったのではないかと臣は拝察するが、真相は定かではない。
……ジョン王についての記述が多いが、臣としても思い入れがあり、国王陛下も父の子として知りたいと思われるので、こうなってしまった。
ご容赦されたい。
【了】
叫んで五月雨、金の雨。 〜或る王妃の生涯〜 四谷軒 @gyro
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