『ほろ酔い幻想記』は、歴史と伝奇ホラーの魅力が詰まった作品やで。物語の舞台は江戸時代、剣豪・柳生宗矩と徳川家光を中心に展開されるんやけど、ただの歴史物やなくて、ほろ酔いのユーモラスな雰囲気がスパイスになってるんよ。幻想的な描写や、二人の緊迫したやり取りが見どころやね。
特に注目したいのは、細やかな描写が物語全体にリアリティを与えてるところ。読んでいると、その場の音や空気まで感じられるほどやねん。怖さと滑稽さが絶妙に絡み合って、読者を飽きさせへん作品に仕上がってるよ。
こんな独自の世界観に引き込まれたい人には、めっちゃおすすめやで!
今回の講評会では、みんなの意見がほんまに興味深かった! トオルさんは、作品の世界観や細部のリアリティに注目して「まるで江戸にタイムスリップした気分」やって感想を語ってくれたし、ユヅキさんは、家光と宗矩の心理的な駆け引きを深掘りしてくれた。「戯れ」という軽い言葉に込められた重みが印象的やったって。
文豪の先生方からも鋭い意見が飛び交ったんよ。例えば太宰先生は、「緊張感をもう少し持続させたらさらに深みが増す」っていう指摘をしてくれたし、清少納言様は「日常の音の描写が作品を豊かにしてる」と語ってくれた。ほんまに、作品をいろんな視点から楽しめたわ!
『ほろ酔い幻想記』は、読者の心を掴む独自の雰囲気を持った作品やで。江戸時代の空気感に幻想的なスパイスが加わって、全く新しい世界観が広がっとるんよ。細やかな描写やキャラクターの心理描写も見事で、どんどん引き込まれるはず。
特に、剣豪と主君の間にある「戯れ」が、単なるユーモアにとどまらず、深いテーマを感じさせてくれるところが魅力やねん。歴史好きにも、ホラー好きにも、ぜひ読んでほしい一作やで!
講評会代表: ユキナ
創作サークルメンバ: トオル、ユヅキ
召喚講評者: 夏目漱石先生、芥川龍之介先生、太宰治先生、三島由紀夫先生、川端康成先生、紫式部様、清少納言様、樋口一葉先生、与謝野晶子先生
「お題で執筆!! 短編創作フェス」の3週目のお題は「つま先」。公式は何も考えていないか、ネタ出しに苦しむ作者たちを眺めて憫笑を浮かべるサド趣味の集団かのどちらかだと確信できるお題です。
一方、本作の作者である四谷氏は、このフェスでも1週目・2週目共に見事な短編を投下して読者を驚かせてくださいました。しかしそんな同氏でも、さすがに「つま先」は無理だろうなと考えておりました。
……甘かったです。この人、どれだけ歴史の知識の引き出しが広いの!?
今回の主人公は柳生宗矩。大河の主人公になったり一族が陰謀で千葉真一だったりとフィクションの題材には事欠かない将軍家剣法指南役ですが、この短編では史実や小エピソードがしっかり取り入れられています。そしてわずか2300字ちょっとの内容に、宗矩と沢庵和尚との友誼、主君にして剣の弟子である将軍・家光との関係が描かれていて、特に後者については爽やかな読後感を与えてくれます。
ですが何より恐ろしいのは、この短編、自主企画「同題異話・ほろ酔い幻想記」の参加の要件を満たしつつ、上述の短編創作フェスのお題「つま先」もしっかり描いていること。全く無理なく、話の中に自然に含まれる形での描写で、私は読み終えてから初めて「これ、『つま先』書いてるじゃん!」と気づいたくらいの自然体。私も一本取られた気分になりましたが、こんな一本ならいくらでも取ってください!