概要
この世は地獄、生き地獄。ならば、その地獄を焼き尽くす――劫火とならん。
【あらすじ】
国は乱れ、賊が横行し、飢饉が起き、疫病が流行り――
窮境の中、貧しいながらも自分を育んでくれた父と母が死んでしまった男、重八。
重八はその父の希望だったという寺に入るものの、寺の庫裏にも米は無く、托鉢の旅に追いやられる。
ある日――重八が托鉢から帰ってくると、寺は焼かれていた。
賊の討伐を命じられた国の将軍が、寺が賊の「ねぐら」になっているのではないかと言いがかりをつけて来たのだ。
灰燼と帰した寺。そして絶望を味わう重八は、己が運命を歎き……。
【登場人物】
重八:若い托鉢僧。父と母を流行り病で亡くし、天涯孤独。近郷の若い衆の顔役。
童女:寺の近くの村に、若い母親と共に住んでいる。焼餅を重八に分け与える。
将軍:国から賊を討伐する命を受けたが、近隣の村々を襲っては強奪し、「実績
国は乱れ、賊が横行し、飢饉が起き、疫病が流行り――
窮境の中、貧しいながらも自分を育んでくれた父と母が死んでしまった男、重八。
重八はその父の希望だったという寺に入るものの、寺の庫裏にも米は無く、托鉢の旅に追いやられる。
ある日――重八が托鉢から帰ってくると、寺は焼かれていた。
賊の討伐を命じられた国の将軍が、寺が賊の「ねぐら」になっているのではないかと言いがかりをつけて来たのだ。
灰燼と帰した寺。そして絶望を味わう重八は、己が運命を歎き……。
【登場人物】
重八:若い托鉢僧。父と母を流行り病で亡くし、天涯孤独。近郷の若い衆の顔役。
童女:寺の近くの村に、若い母親と共に住んでいる。焼餅を重八に分け与える。
将軍:国から賊を討伐する命を受けたが、近隣の村々を襲っては強奪し、「実績
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!男がいた場所は地獄。助けてくれる者はいない。救いが来ないのなら――
精いっぱい生きようとしている者が殺され、すべてが奪われていく。
私利私欲のために踏みにじられていくのに、助けは来ない。
そんな無情の世から男の伝説が始まる――
ネタバレになるので詳しく書きませんが、歴史の授業で登場するような有名な人物の物語です。
私は歴史に疎く、またその人物のことをあまり知らなかったのですが、読み終えたあとは、この人物はこのあとどうなったのだろうと興味を持つようになりました。
歴史に詳しくない方でも予備知識なく読み進められます。登場人物に魅力があり、時代背景もていねいに書かれた読み応えのある小説なので、おすすめです。