概要
職を失った元傭兵のリュール・ジガンは、町や村を盗賊から守る用心棒としてなんとか食いつないでいた。
久しぶりの野宿をした翌朝、リュールの傍らには銀髪美少女の姿があった。
彼女は言った「私はリュール様の剣です」と。
その証拠に、長年愛用していた大剣は消え、少女はリュールを強く慕っていた。
可憐な容姿とは裏腹に、人を傷付けることにためらいがない。
それに、リュールしか知らないはずのことを多く知っていた。
少女の話や態度から、リュールは自身の剣であると信じざるを得なかった。
仕方なく、少女を連れ旅は続く。
彼女に心を許しつつあったリュールは、人の姿をした愛剣に人としての名を与えた。
ある夜、リュールは魔獣と呼ばれる獣に襲われる。
絶望的な状況の中、リュールは少女
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!姿が何であれ、相棒として共に歩んで行く物語
武器の美少女擬人化ものと聞いていたのですが、想像してた方向性と全然違いました。美少女となった武器とイチャイチャするような軽い内容ではなく、滅茶苦茶硬派! 男女コンビのガチのバディもの。
使い込んだ道具に魂が宿るという感覚や憧れを、ものすごくカッコよく物語に生かしている感じです。
剣である少女はとにかく物騒な考えの持ち主で、それがもう簡潔明瞭で清々しく軽やかな感じで気持ちいい! 可愛くしっかり者で、それでいて少女としてはどこかずれていながら主人公のリュールをがっつりサポートしてくれます。とにかくこのブレイダの魅力が最高。
彼女がずっと言い続ける「私はリュール様の剣」という言い回しが…続きを読む - ★★★ Excellent!!!物語はいつだってボーイ・ミーツ・ブレイド
”むせる” 作品やラブコメを中心に精力的に作品を投稿されている、個人的に注目の実力派作家、日諸 畔さん。
今回はお得意の『むせる×ボーイミーツガール』の骨太ファンタジーということで投稿を追いかけましたが……ものの見事にむせました!(いい意味で)
寡黙だが心優しいリュールと、人と剣を行き来する、天真爛漫としつつ殺意の高い発言を繰り返すブレイダ。
互いの信頼を感じさせつつ、どこかずれてる二人の会話や、戦闘中に見せるテンポ良く歯切れのいい言葉の応酬がとても心地よかったです。
そして二人を取り巻く謎。
その身を犠牲に戦う、手に汗握る熱い戦い。
深く描かれるリュールやブレイダ、仲間、そして敵たちの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その信頼関係――人類最強につき。
人類は今日という日まで、様々なモノを対象に、色々な形で信頼関係を作り、築き上げてきた。
家族、配偶者、親族、仲間、戦友、友人――。
この中で、最も強い信頼関係を持つものは
《武器を手にする者》
そして
《その手に握られた武器》なのかも知れない。
武器を持つ者は、武器に己の存在を預ける。
武器は、己の価値の全てを以て、持つ者に応える。
人は命を預ける武器を労り、愛し、命を託す。
その意思を一身に受けた武器もまた、己を持つ者のために全力を尽くす。
生きるために武器を握り、握られる武器は、その者に全力で応える。
どちらかが欠ければ、どちらの存在も永久に喪われる。人間同士の関係を超…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一人と一振りが敵を斬り裂き駆け抜ける、本格バトルファンタジー!
『愛用していた剣が美少女になる』というキャッチーな題材の時点で、もう既に面白いです。
個性的なキャラ達の中でも、剣から人へと変身するメインヒロイン『ブレイダ』が特に魅力的でした。持ち主の『リュール』が大好きな性格でありながら、何かと物騒な発言や思考をする部分で、彼女が『人』ではなく『武器』なのだなと常に感じさせてくれます。そのギャップがまた素晴らしい。それでいて話が進んでいくと少しずつ『人間』を学んで成長し、どこまでも魅力が滲み出てきます。
リュール大好きブレイダの姿に大変満足できるものの、かといって変な下品さや、いやらしさは感じません。むしろ『相棒』として活躍する場面も多いため、二人の関係…続きを読む