武器が人間になることは現実に起こらないが、戦う動機は実に人間臭い

  • ★★★ Excellent!!!

(2022/8/5執筆)
 元傭兵で用心棒のリュールには、愛用の大剣があった。
 だが、野宿をしたある日、リュールの大剣は銀髪の美少女となっていた。

 勿論、リュールと銀髪美少女、ブレイダのやり取りも面白い。だが、この作品の肝は戦う動機にあると思う。
 例えば、リュールの元教育係のゴウトは、面倒を見ていた孤児院が襲われた事により、人を恨むようになり、結果的に人を助ける立場になったリュールと対立する事となった。
 当然、どんなに絶望的な状況に陥ったとしても、人を殺したり街を襲って良いという道理は無い。だが、僕にはこの作品に出てくる敵の事を100%悪い人物と思う事はできなかった。
 それどころか、一歩間違っていればリュール自体も敵側の人間になっていたと思われる。
 そうならなかったのは、ブレイダやゼイラス騎士団との出会いは大きいだろう。

 全体的にダークな世界観だが、とても人間臭い作品だと僕は思う。

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