王の剣(つるぎ) 〜冷血の雪姫と呼ばれるドS王女に首輪を付けられた主人公の逆転譚〜

作者 リクヤ

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★★★ Excellent!!!

【簡単なあらすじ】
ジャンル:ハイファンタジー
舞台は皇歴1024年。この国では1000年前に英雄・初代王の剣は魔神・天修羅を倒し、大陸に平和をもたらしたとされている。主人公はその物語を母から読み聞かせられ、自分も英雄になりたいと夢を抱いていた。しかし、ある時事故で記憶を失ってしまう。治療により夢を抱いてきた記憶を思い出し、初代王の剣が使った刀が祀られている神社へ向かうのだが……!

【物語の始まりは】
主人公が母より、物語を読み聞かせして貰う所から始まっていく。まだ子供だった主人公は読み聞かせてもらった絵本により英雄になりたいと夢を抱く。だが大人になった主人公は英雄になるどころか……!

【舞台や世界観、方向性】
皇国が唯一この大地を収める国であり、その統治は1000年以上続いている。
『王国記』王子と剣士身分の違う二人が協力し合い、国に平和を取り戻すまでの物語であり史実のようだ。
妖も存在する世界。
この物語は両サイドから語られており、主人公の境遇や過去については両視点からわかって来る。

【主人公と登場人物について】
本編に入ると主人公は21歳へと成長。何か事情があって記憶を失ってしまっているようである。
記憶を失った主人公ではあるが、近所の人や家の者との関係は悪くはない。
門……見た目は女性のように美しい男性で子供たちに剣術を教えている。主人公にとっては記憶を失った自分に色々と教えてくれる恩師である。

【物語について】
プロローグの後21歳へと成長した主人公は、記憶を取り戻すための治療を受けているところから展開されていく。何故記憶を失ってしまったのか? 冒頭の方ではまだ理由は明かされてはいない。記憶の一部は取り戻せたようなのだが、あまり嬉しそうではない。彼にとっての恩師曰く、記憶が戻った時の方が落ち込んで見えるらしい。その日に題材を聞いた恩師は、主人公に外で授業… 続きを読む

★★★ Excellent!!!


主人公宗次郎には虚無と喪失が常に
つきまとっていた。

『記憶喪失』

そんな自分に戸惑い、嘆き、苛立ち
ながら、己の在り方について彼なり
の答えを探すのが、第一部である。

はっきり言って、宗次郎は弱い。

その影響もあってか、ヒロイン皇燈
の存在と行動は彼のそれとは非常に
対照的に映る。彼女は常に格好良い
のだ。筆舌に尽くし難い程に。

その理由に宗次郎が気がついた時、
物語は大きな転換点を迎える。この
考え抜かれた展開も、本作の魅力の
一つだろう。


そして第一部での宗次郎然り、人は
常に自分が何者か分からない不安を
抱え、時には無自覚に苛立ちを募ら
せていることもある。そこから生涯
抜け出せない人たちも少なくない。
物語のキャラクターだって例外では
ないのだ。

第二部で、宗次郎は、燈は、そんな
彼らと私たちの心を打つ。
何故だろう?その答えはきっと、本
パートのキーマンである彼『天才:
雲丹亀玄静』が教えてくれるだろう。


息を呑むバトル、渦巻く陰謀、個性
豊かな登場人物たちが織りなす王道
と荒唐無稽の黄金比…読者はまんま
と魅せられ、先に待ち受けるものが
気になって読む手が止まらなくなる
こと請け合いの作品。(超経験談)

★★★ Excellent!!!

ご縁があり、この物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。

千年もの昔。英雄・初代王の剣は魔神・天修羅(あまつしゅら)を倒し、大陸に平和をもたらした━━━そして現代には、記憶喪失の一人の少年がいました。そんな彼がひょんなことから皇王国の第二王女と出会い、そして全てが動き出すというボーイミーツガールから、この物語が始まります。

情景描写からうかがえる、綿密に形成された世界観。その上で動く、様々な登場人物達。そんな中で一人、
「むしろ主人公は後ろ向きなのでウザく感じると思います。」
あらすじの注意書きでも、わざわざこう書かれてしまっている記憶喪失の主人公。
しかしそれは、後半への布石。物語を大きく魅せる為の、溜め、チャージでした。
彼の記憶喪失の秘密と彼自身について……それら全てが明らかになる第一部の終わり。私はここで、一気に物語の魅力に心を掴まれてしまいました。

もちろん、彼だけではありません。それぞれの登場人物は皆、バックボーンがあります。それは物語において、当たり前のことなんでしょう。しかしそれを魅力的に表現されている所に、作者さんのワザマエがあります。
個人的には、第二部に出てくる玄静君が大好きです。ザックリ言ってしまうと、斜に構えている天才型なのですが、そんな彼には実は……是非皆さんの目で確かめてくださいませ。

王道、重厚。そしてスカッとさせてくれる、和風ファンタジー。
他の皆様も是非読んでみてください!