貴方の剣になると誓ったあの日から

ご縁があり、この物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。

千年もの昔。英雄・初代王の剣は魔神・天修羅(あまつしゅら)を倒し、大陸に平和をもたらした━━━そして現代には、記憶喪失の一人の少年がいました。そんな彼がひょんなことから皇王国の第二王女と出会い、そして全てが動き出すというボーイミーツガールから、この物語が始まります。

情景描写からうかがえる、綿密に形成された世界観。その上で動く、様々な登場人物達。そんな中で一人、
「むしろ主人公は後ろ向きなのでウザく感じると思います。」
あらすじの注意書きでも、わざわざこう書かれてしまっている記憶喪失の主人公。
しかしそれは、後半への布石。物語を大きく魅せる為の、溜め、チャージでした。
彼の記憶喪失の秘密と彼自身について……それら全てが明らかになる第一部の終わり。私はここで、一気に物語の魅力に心を掴まれてしまいました。

もちろん、彼だけではありません。それぞれの登場人物は皆、バックボーンがあります。それは物語において、当たり前のことなんでしょう。しかしそれを魅力的に表現されている所に、作者さんのワザマエがあります。
個人的には、第二部に出てくる玄静君が大好きです。ザックリ言ってしまうと、斜に構えている天才型なのですが、そんな彼には実は……是非皆さんの目で確かめてくださいませ。

王道、重厚。そしてスカッとさせてくれる、和風ファンタジー。
他の皆様も是非読んでみてください!

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