オレが半分なら、もう半分は君だから
- ★★★ Excellent!!!
ご縁がありこの物語に出会いました。読み終えましたので、レビューさせていただきます。なお、この物語には男同士での絡み合いや喧嘩のシーン等もございますので、お気をつけくださいませ。
本作は何でも一番だった筈の主人公の彼が、とある少年にかけっこで負けてしまうことから始まります。幼かった主人公にとって、小さなことが大きなこと。彼はその少年にライバル心を燃やしますが、彼は転校してしまい。そのままフェードアウトかと思った矢先、高校生になって青年となった少年と再会します。
かつての思いが再燃し、一気に突っかかっていく主人公の彼。青年に関わっていく中で変わっていく、彼の想い。その中で明らかになっていく、青年の背景。一匹狼のようだった彼は、青年との関わりで徐々に周りへと関心が移っていき、やがては自分自身のしてきたことにすら、向き合うことになります。
青年とその周りの人間と関わっていく中で悩みし、成長していく主人公。そんな彼の内面が丁寧に書かれており、「分かるぞー、その気持ち」となったり、「あー、そうじゃないんだよッ!」となったり。気が付くと、彼に寄り添うような形で物語を読み進めておりました。脇役も良いキャラクターが多く、個人的にはジャージ女ちゃんがお好きです。ああいう明るくも暗いものを背負った子、良いですよねえ。詳しくはもちろん本編で。
葛藤、喧嘩、そしてほのかに垣間見える優しさに、青春の一端を感じる物語。
他の皆様も是非読んでみてくださいッ!