未来に投資する。それが例え、誰であっても。

 ご縁があり、この物語に出会いました。読み終えましたので、レビューさせていただきます。

 この物語は、大晦日に焼死体が発見される所から始まります。冒頭に死体を転がされ、加えてそれが連続殺人の一環であることが判明。
 しかしそれ以上の進展が望めず、状況が停滞していた頃。一人の警察が指令を受け、エンジェル・リードという若い芸術家に投資をしている組織に接触する。そこから事件が進んでいき……と続いていきます。

 第一話目から、私はびっくりさせられました。まさか君がそうだったなんて、と。良い意味で読者を裏切ってくるのは、良作の持つ力。
 また、作者様による、短くも本質を突いてくる軽やかなセリフ回し。出てくるキャラクターが、みんなカッコイイんですよ、ホントに。みんなが思っていても、何処か目を逸らしているような場所を。お洒落な言い回しで一刀両断するかのような、爽快感があります。

 更には、戦いの構図。これがまたカッコイイんですよ。スタイリッシュなアクションもあれば、明確な敵がなく、悪いのはそのような一体感を持ってしまった雰囲気である場面も。答えの見えなさそうな戦いですら、彼らは行動に出て一つの結果を残していきます。それは正しいとか間違いとか、そんな簡単な物差しでは測れないでしょう。
 なお、この物語は『Ace in the hole. ー最後の切り札ー』という作品の地続きとなっております。前作も読んでいただくと、面白みが倍プッシュ。もちろん私は読了済みで、だからこそこの物語をより堪能させていただきました。

 ダークでハードボイルドであっても、本質は誰かの夢を応援して投資する。そんな物語を、他の皆さんも是非読んでみてください。
(⌒▽⌒)

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