ご縁があり、この物語に出会いました。読み終えましたので、レビューさせていただきます。
この物語は、大晦日に焼死体が発見される所から始まります。冒頭に死体を転がされ、加えてそれが連続殺人の一環であることが判明。
しかしそれ以上の進展が望めず、状況が停滞していた頃。一人の警察が指令を受け、エンジェル・リードという若い芸術家に投資をしている組織に接触する。そこから事件が進んでいき……と続いていきます。
第一話目から、私はびっくりさせられました。まさか君がそうだったなんて、と。良い意味で読者を裏切ってくるのは、良作の持つ力。
また、作者様による、短くも本質を突いてくる軽やかなセリフ回し。出てくるキャラクターが、みんなカッコイイんですよ、ホントに。みんなが思っていても、何処か目を逸らしているような場所を。お洒落な言い回しで一刀両断するかのような、爽快感があります。
更には、戦いの構図。これがまたカッコイイんですよ。スタイリッシュなアクションもあれば、明確な敵がなく、悪いのはそのような一体感を持ってしまった雰囲気である場面も。答えの見えなさそうな戦いですら、彼らは行動に出て一つの結果を残していきます。それは正しいとか間違いとか、そんな簡単な物差しでは測れないでしょう。
なお、この物語は『Ace in the hole. ー最後の切り札ー』という作品の地続きとなっております。前作も読んでいただくと、面白みが倍プッシュ。もちろん私は読了済みで、だからこそこの物語をより堪能させていただきました。
ダークでハードボイルドであっても、本質は誰かの夢を応援して投資する。そんな物語を、他の皆さんも是非読んでみてください。
(⌒▽⌒)
この作品は、
【Ace in the hole. ー最後の切り札ー】
という作品の続編にあたる。だけど、これ単体で読んでも充分に面白いです。
個人的には前作から読み始める事をオススメしたいけど、こっちはこっちで前作とは違う味と面白さがあります。
内容的にはやや重めで残酷な場面もあるけれど、大人が充分楽しめる作品に仕上がっております。
重い問題を孕むこの残酷な世界を、二十歳に満たない青年と、その頼れる相棒とが、時に軽やかに、時に激しく駆け抜ける。それが痛快で、切なくもある。
いくら言葉を尽くしても言い足りない、素晴らしい魅力の詰まった作品です!
裏社会に生きる投資家組織「エンジェル・リード」や彼らを取り巻く面々が、
次々に直面するトラブルに対処していく物語です。
10話ごと(1.水底のマグマのみ、11話)に視点が切り替わり、個々のエピソードは重いテーマを含んでいながらもテンポよく読むことができます。
治安の悪い社会の中で、裏社会のプロフェッショナル達が
彼らの矜持に則って行動をおこすさまは
お色気要素の無いル〇ン三世やシ〇ィーハンターといった雰囲気があります。
硬派なハードボイルド作品を好まれる方に、強くお勧めします。
( ※本レビューは、本編91話=9.夜空に光る 読了時点でのコメントとなります)