概要
「水滸伝」の奸臣にして大悪党、その男――高俅(こうきゅう)の意地とは
【あらすじ】
中国・北宋の末期、旧法党と新法党の党争という、国を割らんばかりの争いは極致に達し、時の皇帝・徽宗(きそう)の宰相、蔡京(さいけい)は新法党を称し、旧法党の弾圧を強行した。
その極致が「元祐党石碑(げんゆうとうせきひ)」であり、これは蔡京が旧法党と「みなした」人々の名が刻印されており、この「石碑」に名が載った者は放逐され、また過去の人物であるならばその子孫は冷遇され、科挙(役人になる試験)を受けることが許されなかった。
だがこの「石碑」に載っているのは、単に旧法党にとどまらず、蔡京に反対する者、気に入らない者も含まれていた……旧法党に属しながらも、旧法の欠点を指摘していた蘇軾(そしょく)のような人物も。
ところがある日、その「石碑」を倒した者がいた――その男、名を高俅(こうきゅう
中国・北宋の末期、旧法党と新法党の党争という、国を割らんばかりの争いは極致に達し、時の皇帝・徽宗(きそう)の宰相、蔡京(さいけい)は新法党を称し、旧法党の弾圧を強行した。
その極致が「元祐党石碑(げんゆうとうせきひ)」であり、これは蔡京が旧法党と「みなした」人々の名が刻印されており、この「石碑」に名が載った者は放逐され、また過去の人物であるならばその子孫は冷遇され、科挙(役人になる試験)を受けることが許されなかった。
だがこの「石碑」に載っているのは、単に旧法党にとどまらず、蔡京に反対する者、気に入らない者も含まれていた……旧法党に属しながらも、旧法の欠点を指摘していた蘇軾(そしょく)のような人物も。
ところがある日、その「石碑」を倒した者がいた――その男、名を高俅(こうきゅう
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!水滸伝の悪が侠気を抱いて義を叫ぶ!……とか?
高俅さん、ご存じですか? 歴史上の大著作、水滸伝に出演する君側の奸。異世界ファンタジー風に言えば魔王格の存在。なのにそこはかとなく小物臭が漂う悪役。そんな高俅さんを主役に据えた物語と言う。
え? 正気ですか? と思いきや、予想外の侠気。かっこいいのです、彼が。
高俅と言えば、水滸伝ではせっせと有為の人材に手を出しては梁山泊に人を送り込む勤勉な奸物。
蛇蝎の如く嫌われ、いやいっそ台所でよく見る黒光りのする薄い奴のように疎まれる役。
しかし作者様により本作に転生させられた高俅さん。
気風が良く、棒術の腕は立ち、言動に筋が通っている。
天下の権を欲しいままにしている絶頂期の蔡京の暴挙が恩人蘇軾…続きを読む - ★★★ Excellent!!!北宋好きにはたまらない、あの人とかあの人とかあの人の意外なつながり
高俅といえば水滸伝の悪役として悪名高い人物ですが、その悪役の「意地」というところでまず心惹かれました。
加えてタグに居る「蘇軾」さん。蘇軾さん個人的に大好きなのですが、この二人なにか関係あるの……? と首を傾げながら読み始めたのですが。
一本筋の通った高俅さんが実にかっこいい。
そして描かれる、蘇軾さんとの意外な繫がり。だけにとどまらない色々な人々の繋がり。
北宋好き(ただし知識はごく浅い)としては「ここでこの人出てくるかー!!」と、何度も膝を打ちながら読ませていただきました。
タグに居る人々の中で「ウルツ・サハリ」さんだけ知らなかったのですが、最後にこの方が登場した時は、残酷な時代の流…続きを読む