書籍化作家に推されています

あらすじ

　学生で素人物書きの春香（はるか）は、ベストセラーを書いた書籍化作家の龍己（たつき）にファンだと公言されて推されている。
　自分の書いたものなんて大したことがないのにと思う春香だが、龍己は春香の作品を絶賛してくれる。
　大学進学のときに龍己からルームシェアを申し込まれて、春香は龍己の家に住むようになる。
　春香には家にいられない理由があった。それは春香が母親の若い頃の過ちで生まれた子どもで、今の父親とは血の繋がりがなく、弟や妹ともほとんど関わらせてもらえなかったからだ。
　キッチンを使うことを許されなかったので家事のできない春香に、龍己が要求したものは、春香の書いた小説。春香が書いた小説を「回復薬」と言って、龍己は読むことで癒されるのだという。
　春香の書く小説は高校を卒業したの…続きを読む