53 【にわか雨】から始まる

 仕事帰り。にわか雨が降っていた。

「傘忘れちゃったんですぅ」

「じゃあ、駅まで入れたげるよ」

 そんな会話を横で聞く。

 うらやましいなんて思っちゃいない。

 私は傘を開いた。

「栗原さん」

 振り返ると営業のエース芦田君が赤い顔をして立っている。

「傘忘れたんです。入れてください!」

 夢じゃないわよね。

 

 

 


 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る