74 さよなら【七味唐辛子】

 同棲していた彼と別れた。

 キッチンに置きっ放しの七味唐辛子。

 私が作った料理に味も見ないまま大量に振りかける彼が嫌だった。 

 何がそんなに良かったの?

 気まぐれにうどんに一振りしてみる。

 ピリッと辛くて複雑な味は難解だった彼のようで。

「もう一生食べることはないわね」 

 瓶ごとゴミ箱に放り投げた。

 


  

 

 

 

 

 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る