115 少しも匂わせちゃダメ【ドレッシング】

 彼とホテルのビュッフェへ。

「ここのドレッシングめっちゃおいしい」 

 私はサラダを何回もおかわりする。

「サラダばかりじゃ元が取れないぞ」

「このドレッシングはそれだけの価値アリよ」

 レジ横に置いてあるビンを彼は指差した。

「売ってるよ。買えば?」

「ダメよ。夫にホテルに行ったってバレるでしょ」

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