あけてよ

　公園で発見された二体の焼死体。二体の焼死体を知っているという男があることを話し始めた。
「目の前に3つの棺があって、仮面をつけた何者かに一つ選ぶように指示されました。選ばれた一人は助かるが、選ばれなかった二人には死んでもらうと。それぞれの棺には、まったく知らない男、妻を殺した男、そして愛娘が入っていると言われました。もし娘を選べなかったら、そんな恐怖が襲ってきました。そんな自分をあざ笑うかのように何者かがこう言ったんです。「あなたの愛情が強ければ、こんな理不尽なことでも娘を助けられますよね」って。結局、私が選んだのは．．．。」
　話を聞き終えた刑事の宮本哲也は、二体の焼死体と男は一つの事件の被害者であると断定し、捜査を開始する。
　姿の見えない犯人はどうしてこんな考えを持ち、凶行に至ったのか。一人の殺人鬼を追い続ける話。