読了後数日経過してなお余韻を残す物語
- ★★★ Excellent!!!
ひとこと紹介に書いたとおり、拝読してから三日ほど経ちましたが、未だにふとした時にこの作品のことを思い出してしまいます。
『主人公の米田は物語のあと何か行動を起こしたのだろうか』
『ヒロインの乃亜は今何を思うのか』
つい上記のようなことを考えてしまいます。
何物にも執着しない主人公、米田の一人称視点で語られるこの物語はタイトルから想像がつくように、決して幸せな結末ではないのかも知れません。
ですが、何故か不思議なことに読了感は悪くないのです。
寧ろ清爽な感情が湧いていることに驚きさえ覚えます。
何故か『米田と乃亜の物語はまだ終わっておらず、どこかで続いている』
そう思ってしまうのです。
それ故、余韻を残す物語になり得ているのではないかと思っています。
また、とある文学賞の最終選考候補まで残った作品というだけあって筆力も圧倒的です。
本物のホラー作品に触れたい方は是非ご一読を。