25 黄色の魔術師、竜族のルークを仲間にするぞ!!!。

 「予知の結果によると。竜の谷に一人 黄色の魔術師がおる、滅びの国バンパイアのマフィアのボスが黒色の魔術師じゃ。」


 「マフィアのボスかよー。怖いなー。」

 菓子太郎は、脅えた様子で言った。


 私も怖い、そういった類の人間とは関わるのは厭だと思った。


 「けれど、彼女しか、黒魔導士の候補は居ないんだ。」

 寅次郎は、残念そうにいった。

 

 「マフィアのボスって女なのか!!!。」

 バルマは思わず叫んだ。


 「どうやらそうらしいね。」

 カローナは言った。

 

 

 四人は、竜の谷に行った。


 「おお、ベム殿の御仲間たち。どうぞ、お越しくださいました。」


 竜来が出迎えてくれた。


 銀龍は、相変わらずの仏頂面だった、一緒に案内してくれた。


 「此慰霊碑です。」


 巨大な、英雄級の慰霊碑があった。


 「ベム殿の。ベム殿は、龍たちに慕われた唯一の人間でした。」

 銀龍は悲しそうに言った。


 「今日は何の用で・・・。」


 「単刀直入に訊くが、此の谷で一番強い奴は誰だ・・・?。」

 バルマは訊いた。


 「そりゃあ、もう、閃光の剣竜 ルークさんしか居ないでしょうよ。彼が居なけりゃ、此の谷も侵略されていたでしょうし。」


 「ルークさんの居場所はわかりますか。」

 マリーは尋ねた。


 「いえ、わかりませぬ。」



 

 街で聞き込みをすることになった。




 「ルークさんの行方は不明だがねー。もう五年近くは、行方不明で、身元もわかっちゃいないんだ。」


 と店の店主が言った。 


 「竜来、分からないのか?。」


 カローナはもう一度念を押して聞いてみたが、此ればっかりは、分からないと竜来も首を振った。


 手掛かりはなしか・・・。一週間が過ぎた或る日。


 「そういや、もうすぐ、竜谷祭だな。」


 と銀龍が言った。


 竜谷祭とは、七年に一度開かれる。


 龍族のお祭りで或る。


 「もしかしたら、竜谷祭の時に、ルークさんが戻って来られるかも知れないな。」

 と銀龍は懐かしそうに言った。

 

 

 竜谷祭の日。


 谷の町々は、盛り上がりを見せていた。


 竜の箱と呼ばれる、神輿を担いで、神龍たちが空を舞う。


 竜人は、地上で踊り、太刀を振る。


 「賑やかだなー。」


 谷の町長の、グリアモンドは、言った。

 「いいでしょう。この街は。儂と、ルークと古い仲間と一緒に創り上げた大切な街なんですわ。」


 「そうですねー。素敵です。」

 とカローナは答えた。


 「その昔。Eと言う少年がいてな、この街にやって来て、大災厄の黒龍と白竜から町を救ったんじゃ。儂や、ルークも未だ少年だったのだが、ルークの奴は、Eと共に戦って街を守った。しかし、Eは、街を直ぐに立ち去り、何処かへ行ってしまい行方不明になって終った、後を追うように、五年前突然、ルークも姿を消したんじゃ。この手紙だけ残してな。


旅に出るとだけ書かれて或る紙があった。


 

 祭りは三日三晩続いたが、結局ルークは戻っては来なかった。


 「やはり、戻っては来何だか・・・。しかし、もしかしたら、彼奴は、マジック塔の龍竜遺跡におるかも知れん。あそこは、彼奴らが黒龍、白竜と死闘を繰り広げた場所・・・。」

 

 

 後日、四人は龍竜塔に向かった。


 龍竜塔、空高く聳え立つこの世界に四人の原初の術者が来る以前にあった塔。


 龍竜塔に向かうには、鉱山を通って、来ると長い星屑の橋があり、龍竜塔にたどり着く。


 巨大な塔。其の塔は漆器の様なセメントがされており、美しい造形をしている。


 「此処が龍竜塔かああ。」

 私は小さい声で叫んだ


 モンスターがに四人を見ていた。


 ギュルルとなく声が可愛い。


 「此奴は、古の時代から知られる生きた化石、ポールですよ。」

 菓子太郎は言った。


 「本で読んだ事があります。本当に実在していたんだ。」

 私は言った。


 可愛い、人型の小型な狼。

 パール。


 絶滅した思われていた生物だ。

 

 パールの狼は言った

 「はじめまして、私はアメリオ、貴方たち、危険です。伝説の、強大な力を持ったモンスター ドラコニアンが復活しました。速やかに立ち去ってください。」


 ギュルル。

 ギュルル。

 ギュルル


 「私達は、用があって来たんだが・・・。」

 カローナは、意志を伝えた。


 「私と闘って、貴方たちの強さを証明してください。」

 パールのアメリオが勝負を仕掛けてきた。


 「お前たちは下がっていろ私が参る。」

 カローナは、華麗にその場からアメリオめがけて、拳をぶつけた。


 消えた。


 カローナが次の瞬間消えた。



 熱の温度差を利用して、相手を惑わす、イリュート。



 「そして、熱が空間を移動し、アメリオを襲う。」


 「結構やるようですね。」


 カローナの技を、高速回転で跳ね返す。


 まるで竜巻が起こったようだ。格闘家のスキルを持っているのだ。


 なんて、体術だ。


 さすがは古の狼とでもいうべきか。


 アメリオは波動弾を繰り出した。

 「波動弾。」

 肉体を超活性化さえ、空気振動により、波動を生み出し、一気に放つ。技。


 「私には通用しない。」

 カローナは、真理の熱魔法により、既にアメリオの周りの温度を奪っていたのだ。

 「寒い・・・。」


 周りの者には何が起こったのかさえ分からない。


 真理の魔法だ。


 「まるでルーク様の、閃光剣のよう。何が起こったのかさえ分からないが、攻撃を受けて居る。」

 とパールは言った。


 「ルークを知っているのか。」


 「知っているも何も、今此の塔の、最上階で、E様と共に、ドラコニアに立ち向かっておられます。無事ならいいのだが・・・。貴方たちならば大丈夫そうだ。どうぞ、気を付けていくといい。これは餞別だ。」

 パールは、おにぎりを呉れた。 


 「塔は百階迄あります、途中でお腹が空いたらどうぞ。」


 「ありがとう。」

 

 

 四人は、塔を上っていった。塔には、不思議な見た事もない、紋章や、記号、数式、絵が描いてあったり、不思議な歌声や、楽器の音が聞えたりもした。


 百階にたどり着いた時には、既に、ドラコニアは、討伐され、血だらけの勇者が二人いた。


 「大丈夫ですか???。」

 カローナは駆け寄った。


 「ああ、なんとかな。」

 「モンスターと人間は分かり合えるんだ。この世界にはかつてモンスターが居た。其れも今よりもたくさんな。俺だって龍族のモンスタ^だ。人間が来たのは、本の二百年前、其れから神代には、今の人間よりもずっと高度で、優れた文明を持ったものが暮らしていた。俺は其の時代の事は知らないが。此の塔の壁画にはそう書かれている。」

 Eはそう言って、巻物を見せた。


 「見ろ、此の、絵を。ドラコニアが、人間と楽しそうに踊っている。」


 ドラコニアや白竜、黒龍だって、人間が嫌いなわけでは無かったんだ。しかし・・・。世が荒れてからは、暴れ出す様になった。


 「俺はルークだ。ドラゴンだと思っていたのなら見当違いだったな。俺は、人間だ。ドラゴンに育てられたな。ドラコニアも、黒龍も、白竜も、殺しては居ない。元居る場所に返しただけだ。天竜の里にな。ベムの奴の死は知っているさ。耳は速い方だからな。しかし、何の様だお前等。」


 事情を説明した。すると・・・。


 「なるほど。巻物の予言の意味が分かったぞ。」

 とEが言った。


 「或る魔導師、我々の、土地を穢すであろう、七つの光が世界を照らすであろう。」

 そんな、予言があったのか。古の人間の中にも高度な予言能力者がいた様だ。

 

 

 「それでは、私達四人は、黒の術者を探しに、バンパイアに行きます。」


 「俺は同行するぜ。じゃあな、E。」


 「ああ、俺は、古代の伝説の龍たちが心配だ。」


 Eは、そういって天竜の里に行った。

 

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