30 マクベスの城へ行く

八人はカロス大陸へ向かった。


 世界の連結。


 何を意味するのかは分からなかった。


 禁じられた反転世界の秘密。


 反転世界は全反転世界の本の一部だという事。


 外部と、此の反転世界は繋がっているという事であった。


 シヱの話によるとこうだ。


 反転世界の外側には、特殊な力の場 



 レグル



によりみたされており、レグルを遮る防護服を着て居なければ、即死してしまう、その外側の世界には、浮かぶ道レインボーロードがあり、其処を通り過去や未来に行き来出来るが其の代償に命を失う。


 死んだのが、ゴリアだ。


 ゴリアは死ぬ間際、過去現在未来が繋がった世界で、アル先祖の幻影を目撃したといった。


 右手には、巻物が握られていた。


 巻物には、外側の世界で、空間の扉を開けると、先祖の世界に繋がるのだという。


 先祖は、云わば神に当たる存在で、人が太刀打ちできるはずのない、古代神代の力を持っており、反転世界にもう一つの神々の階層を創り其処に住んでいる。


 「バールの塔か!!!。」

 誰もが、悟った様に呟いた。


 バールの塔の先には、扉がある。


 最上階に行けば、あの神の世界に繋がるのだ。


 ネール地下迷宮の謎。


 此方については未だに謎に包まれているのだが・・・。


 カロス大陸。


 まるで美しい黄金比で出来た神殿や、宮殿の遺跡群に、神々の彫刻、宗教的なモニュメント、何処か寓意的な神話をモチーフにした壁画、彫刻。


 「此処は・・・。」


 おそらく大昔に、宴会が催されていたのだろう、吹き抜けの広大な広場と、テーブル、シャンデリア、そして、巨大な絵画が飾ってある。


 グランドピアノが置いてある、講堂には、ステージや、文字を書く為のパネルがある。


 そして、其処を住処にしている魔物が、人間の様に楽器を弾いたり、宴会をしたり、ステージで芸を披露していた。


 人の居なくなった、此の遺跡には魔物が住み着くようになり、かつその魔物たちは人間の文明を吸収していたのである。


 髑髏のサーベルを持ったお化けの様なモンスターに、首の長い女、河童、化け狸、化け狐、吸血鬼、其れ等は、まるでこの地を守っている様にさえ見えた。祠に集まって泣きじゃくる妖怪たち・・・。


 水に生命が宿った、アクアという未知の魔物に、金属の身体を持った機械の魔物。


巨大な悪魔を思わせる、恐ろしい、ケンタウロスの奇怪な機械人形のお化け。


 ゾンビ。


 首の無いデュラハン、首から上を探して歩いている。赤い目をした巨大なカブトムシ。


 転がる、顏のついた荷車のお化け。


 一同は其れ等と、戦い、時に会話をし、情報を得つつ、マクベスの城への情報を集めた。


 天空にあるという、城。


 一体どのようにしていけばよいのであろうか。


 大陸一体を探索していた。


 六日後の夜中の事だった。


 神聖な場所。


 とても神聖な、古の神の祭ってある、礼拝堂のバリスク。


 外から月の光が差し込んでいる其処に、一人の老人が杖を持って、涙を流していた。


 「貴方は・・・。」

 

 

 其の老人は、久しぶりの人間に驚いていた。


 「何か用ですかな?。」


 老人は、懐かしむように、八人の魔導士を見渡した。


 「どうですかな・・・。此の遺跡は・・・。いいでしょう・・・。」


 老人の体は青白く光り出して、牙が出て、角が生え、身体は三倍以上に膨れ上がり、筋肉質になり、目が恐ろしい怪物の目になった。


 「怖がりなさんな。此れが儂の本来の姿・・・。」


 天空の城を目指しているという事のようですなあ。分かりました。と言って。何処か遠くを見た後に。


 「遂に来ましたか・・・。あんたらが其の者達に成るんでしょうかな。」


 かつての、神たちはこの様に来て、あの世界への扉を開いたのだろうか。其れは其の手始めに過ぎない事だが・・・。


 しかし、此の先に行った処で、其処には、用意された殺し合いが待っている。其れを勝ち抜いたものが次の・・・。


 「あの、城へ行かれるのですね!!!。」


 「!!!。」


 オーケストラと、パイプオルガンの神妙な音が流れる。


 遺跡の、祈りの間と呼ばれる場所の中央には、ミステリーサークルがある。


 丸の中に入るように言われた


 「おお。何と、心霊な事か。」


 神々しく、七色光る、魔導士たち。


 何時しか、行動には、魔物が集まっていた。


 魔物たちは涙を流していた。

 

 

 「踊れや踊れ。歌えや、踊れ。」


 眩い光に包まれて、魔法陣が動き出す。


 ぐるぐるぐるぐる回る。


 目が回る。


 「貴方の事を・・・。」


 八人は其のミステリーサークルの魔法陣の上に乗って空を上っていた。


 神妙な光が天まで其の道を示している。


 エレベーターの様に其の魔法陣は光に沿って昇ってくのだ。


 何千メートル下には、手を振る魔物たちの姿が見える。


 更に昇っていくと、辺り一面真っ暗な、世界に出てくる、色のあるガスがちらほらと火会っている、魔法陣は七色光っている。


 「とても不思議な世界・・・。」


 もうどれだけ、魔法陣にミステリーサークルに運ばれただろう。


 城があった。立派な城であった。


 「此れが・・・。」


 マクベスの城。何て、立派な城なんだろう。


 アーチ状の天井に、塔が付いている、七つの煙突に塔、入り口の巨大な門。窓は美しい唐草の文様が付いている。


 城囲む、壁は綺麗にレンガで固められ、青い屋根がとても綺麗だ。


 城を進むと、其処には、獄炎の迷路があった。


 「何て、城だ。城全体がトラップや、魔物で溢れて居やがる。」


 地面は、強力な火炎で灼熱で満たされ、道は、複雑で、先に進むには、魔物のボスを他をしたり、鍵を探して其れで道を切り開かなければならない。


 空中から急に降ってくる、槍や、トゲ、巨大な石。


 其れ等を、協力して乗り越えていく。


 マクベスは、あの宇宙進出以来、おかしくなった。


 摩訶不思議学校を設立し、何やら怪しげな研究を始める様になった。


 奴は、一体何を考えて居るのだ。


 我々の知らない処で、もはや神代の神々をも凌駕したというのか・・・。シヱは其の城のあまりの文明レベルの高さに驚き、驚嘆した。



 「こんな城程度、楽勝だぜ。」

 閃光の剣戟で、次々と、亀の魔物や、骨の魔物、蜥蜴の魔物をなぎ倒していくルーク。


 しかし、奥へ進む程、其の魔物のレベルや、トラップは熾烈と成り、魔導士たちを苦しめた。


 大きな穴に落ち、ルーク、シヱ、カローナ、マリーが落ちてしまった。


 「ん。このようなトラップにひっかっかるとは・・・。」

 シヱは、年配として、失態をしたと、其の慢心を恥じ、自分を律した。


 「すまぬ。儂の不注意で・・・。」

 あのトラップ。全く気付けなかった。


 「しかし、此れから如何した物ものか・・・。別々にマクベスの元を目指すしかないだろうか」


 仮に、合流するにしても、此の穴からじゃ、出られないだろう。穴は巨大な崖でふさがれ、強力な力で、上へ上がるとこを封じられていた。


 城の地下成っていて、色とりどりに輝く鉱石で埋め尽くされていた。

 「なんて綺麗な鉱石。」

 カローナは目を輝かせて言った。

 

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