31 仲間割れ

 「彼奴ら、落ちやがって。」

 菓子太郎は上から、穴を覗いていた。深くて、奥が見えない。暗い穴だ。


 「如何すんだ。此れから。」

 バルマが言った。


 その時、目の前にマクベス人形が現れて話し始めた。

 「ようこそ。マクベスの城へ。歓迎するよ。此処で、悪いが君たちには離れ離れに成って貰った、八人全員で来られると、味気ないからね。君たちの実力を試す為さ。ふふふ。僕のところまでたどり着けるかなー。」


 マクベス人形は消えていった。


 「何だったんだ彼奴。」

 バルマは、少々苛ついて、壁を蹴った。


 「それじゃ、合流は出来ないのか・・・。」

 おそらく、マクベスは、私達を試しているのだろう。八人で固まって行動をするべきか、其れとも、二手に分かれて、マクベスの元を目指すか・・・。


 「うん、四人いれば十分だと。俺は思う。」

 寅次郎は、言った。


 「そうだな。」

 全員一致で、二手に分かれて行動する事になった。

 

 

 「此の鉱石綺麗ねー。」

 カローナとマリーは、石に夢中で、鉱石を集めていた。


 「おめえら、さっさと先を急ぐぞ。」

 シヱは言った。


 カローナは不満が溜まっていた、シヱは、何処か、偉そうで、ちょっと経験が豊富で、マクベスとも、知り合いで、宇宙に行った三人の一人だからってリーダぶってって、憎らしかった。


 「何だよ。此の糞じじい。口出しする気か!。」 


 「なんじゃ、小娘。」


 二人は、何やら不穏な雰囲気で言い合っていた。


 其れを見て、マリーは面白いねーと笑っていた。ルークは此れは不味いと思い割って入った。

 「まあまあ、お二人とも、喧嘩は良くないですよ。」


 「うるせー。此の蜥蜴人間。」

 酷い。蜥蜴人間だ何て、旅に同行してあげて居る身なのに・・・。


 「てめー達、やる気あんのかああ。こらああ。こっちが頼んだから、渋々ついて来ただけじゃねーのかよ。ああ???。」

 カローナの怒りは頂点に達していた。


 「儂が居なけりゃ勝てんだろ。八人そろってやっと勝てる相手なんだ。」


 ムカつくやろーだぜ。はじめからこんな奴ら仲間にしたくも無かった、其れなのに、七色が必要だとか、あの寅のやろーがいったせいでこんな面倒な事になった。


  カローナは気が付くと、シヱを殴っていた。

 「死ね、此の糞じじい。」


 シヱは、血まみれになって、カローナを睨みつけていた。

 「悪かった、儂が悪かった。」


 まるで聞く耳を持たないように、カローナはシヱをボコに殴り、赤の魔法迄使って、とどめを刺した。


 「なんだ、黒の、魔導士といってもこの程度か・・・。足で纏が。」

 カローナはそう言って、粉々の灰になったシヱをみをろした。

 「行くぞ。お前等。俺がリーダだ。」


 面白いねーカローナちゃんとニヤニヤ笑いを浮かべ、マリーは笑っていた。ルークは、顏を真っ青にして、恐怖して、カローナの後を追った。


 「やれやれ、最近の若いもんは年寄りの話もきかんでいきなり、殴りつけてきよる。困ったものだ。」

 シヱは、粉々になった身体を一つの場所に集め、身体をもとに戻した。


 ああ、怖い怖い。死ぬかと思ったわい。


 此れから如何したものかのう。


 あ奴らの元に居れば目の敵にされるしのう。


 そうじゃ。


 単独行動でマクベスの処目指そうかの。

 

 

 寅次郎、菓子太郎、画レ虚、バルマは、城を更に進んでいた。


 「なあ、御父さん・・・。」

 菓子太郎が、唐突に質問をした。


 「なんだあ。菓子太郎・・・。」

 菓子太郎は言いにくそうにけれど、はっきりといった。


 「御父さんは、どうして僕を此処へ送ったの???。」


 「お前に才能があると思ったからさ。」


 本当だろうか・・・。全ては此の寅次郎が始めた事だ、寅次郎が居なければ、摩訶不思議学校も、反転世界も知らずに一生を過ごしていたことだろう・・・。


 「どうして僕だったの・・・。僕が御父さんの息子だからなの???。」


 其れは、同だろう。


 「分からない。」


 「なんでだろうね。はじめから決まっていた気がするよ。」


 「何言っているのとおさん。」


 「俺は・・・。知っていたんだ。」


 「親としての愛情は在るの???。」


 「そんなのないよ。御前を利用して、マクベスを倒すために。母さんとお前をつくったのさ。」


 そんな・・・。


 「母さんはどうして死んだの???。」


 「其れは・・・。事故って言っているだろ・・・。」


 知っているんだ。


 僕が未だ小さい頃母さんが、怪しい奴に殺されていた処を知っているんだ。


 父さんは知っていた。知っていて見捨てたんだ。


 「目的の為なら、関係のない人間迄、家族にして、その家族さえ、見殺しにすんだね。サイテーだよ。父さんは。」

 許さない。殺してやる。


 「死ねよ。糞じじい。」 

 菓子太郎は、寅次郎に、灰色の魔法をかけて、寅次郎は、ボロボロのボロ雑巾になって、死んで終った。


 「何、してんだ。てめえ、菓子太郎。」

 バルマは、驚いて、叫んだ。


 まさか、菓子太郎が親を殺すだなんて・・・。

 「あの、野郎が悪いんだ。」


 僕を道具としてしか見て居なかった。此の男があああ・・・。

 あの、男が、母さんを殺した。家族を見捨ててでも、彼奴は、マクベスを倒すとこを選んだ。クズ野郎だ。


 「寅次郎さんも、悪いが、御前も御前だぜ。殺すこっちゃないだろ・・・。」

 時を加速させられると、面倒だから、気づかれないように気配を殺して一瞬のうちに殺した。


 「カバが。」


 画レ虚は其の一部始終を見ていた。

「菓子太郎は、何がしたいの?。」


 「僕は・・・。只・・・。あの寅次郎とかいう、奴がムカついたんだ、だから殺した。」


 「そう・・・。後で後悔しないでね。死んだ人は戻ってこないんだよ。」


 菓子太郎は、幼い頃、寅次郎に、車の作り方や、舟、家に創り方を教えて貰って、其れが嬉し繰った楽しかった事を思い出していた。しかし・・・。


 「しないさ。あんなクズ。死んで正解だったのさ。」


 と捨て台詞を吐き捨てて、遺体に唾を吐きつけた。


 「ちっ、信じらんねーぜ。此奴よ。」


 こんな時に仲間割れか・・・。向こうの四人は上手くやっているだろうか。

 

「死んだものは仕様がないさ。」

 と画レ虚は言った。


 「そうだな。」


 「ごめんよ。迷惑かけて。」


 構わないさ。只此れで、時を加速する緑の魔法師は居なくなった。此れからどうしたものか・・・。

 

 

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