20 マクベス暗殺計画


 マクベスは冒険者を摩訶不思議地帯で殺して死体で研究をしていたのだ。


 魔法地帯の猛獣や、怪物、遺跡のロボットさえ、マクベスはもはや手中に収めていた。 


 そのことを知っているのは、五柱の人間だけだ。


 マクベスは冒険者の肉体を錬成して、マクベス人形を作っていたのだ。


 ノーマンに喰わせて冒険者の能力を奪って、学園の、利益にしていた。


 強力な能力は、人間からしか生まれない。


 能力を奪い。たべて、学園には魔法と言う体系が出来た。


 魔法の正体は、冒険者の個性による、能力だったのだ。


 寅次郎は言った。

 「カローナも知っている事だろ。」


 「俺は、マリン星のギオルク島という島国で生れた。ギオルク島には、王が居た。ギオルク・アルターネードは、此の国の建国者で、人間だった。」


 寅次郎は、街で飛行機を作っていた。


 当時未だ、文明が進んでいなくて、其れを飛ぶなんてのは夢物語だと周囲から馬鹿にされた、其れでも負けじと寅次郎は、試作品の飛行機を飛ばし続けた、そして、マリン星で初めて飛行機を創った発明家になった。


 蒸気機関や、電気を見つけ、多くの発見をしたが、気が付くと、反転世界に居たのだ。


 寅次郎は、フョームの操作により寿命が延びた。


 研究をつづけた。


 「あれが大体二億年前の話。」


 実際、寅次郎は時空の狭間で二億年近く意識を失っていたのだ。


 止まった時の中で、外部の時間だけが流れていく。気が付くと、反転世界に居た。


 今から二百年程まえに、此の反転世界に来たのだが、もう、最初の四人は居た。寅次郎は所謂第二世代であった。


 「俺は元の世界へ還る方法を探した。帰ることに成功した。あの鏡を使ってな。」


 反転世界と実世界を繋ぐ鏡のことだ。


 原初の四人は、自然的にではなく人工的に此処へ来たらしい。


 「そうだ、お前はマリン星に帰ってから随分と様子がおかしくなった。」

マリーは言った。


 「マリン星で何があったんだ?。」


 マリーは、寅次郎のいた宇宙とは別の宇宙で生れた、種族だった。


 バルモンド星と言う星で、文明は反転世界より遅れていたし、まだ原始的な文明の星だった。


 彼女は、洞窟で強いエネルギーの波にさらされ、気が付くと、摩訶不思議地帯のあの校門前の洞窟に居たので或る。


 猛獣や、遺跡の怪物、ポリゴン兵と闘って過ごしてきた。


 「マリン星は、二億年後でも、文明があった、酷く高度であった。俺の御爺さんが喜界島の姓で、国の技術を支えていた。いる筈の無い爺さんだ。俺は不思議に思った。」


 其の、御爺さんは寅次郎自身だった。


 何でも、俺は、何度も生まれ変わっては、マリン星の危機を救って来たのだという。時間さえ遡って、俺は、何度も、何度も、夢の中でマリン星を救って来たというのである。


 意味が分からなくなっていた。


 マリン星は、クロノア星や、他の宇宙の星と、文明や、軍事で劣らぬように其の技術革新を行って来た事、



 反転世界に過去の自分を送り込んだ事。



 マクベスの事や摩訶不思議学校、反転世界の古代文明の事迄、未来の俺は知っていた。


 「そんな、事って・・・・?」


 「訳が分かんねーだろ・・・。」


 其実世界の技術はおかしかった。


 御前のいたっていうバルモンド星は、ロボット人形による、国家に成っていた。エトルリド星のエリーっていうロボットが創った国家クリスマス国の傀儡星に成ってる。


 「そんなわけないわ。だって。私が居た頃はまだ、原始的な、狩猟採集をしていたのよ。」


 「時が加速したのさ。」


 一体???。其れって・・・。


 「マクベスの七不思議。緑本の魔法さ。」


 「そ、そんな事って。」


 「マクベスは時間の流れを操って、自分にとって都合のいい世界に創り変えて居るのさ」


 ばれたら、時間魔法で消される。


 「俺自体も、緑の魔術師の称号を持っている、三人の内の一人だから気づけたのさ。、だがマクベスは七つ全ての力を持っている。勝ち目は0だ。其れに他の五柱は、マクベスを崇拝している。」


 だから、マクベスの命令に従い。不審な動きの無いように、裏で秘密裏に計画を進めていたのだ。



 「マクベスの暗殺計画。」




 沈黙の時が流れた。



 「色の魔導士の候補が反転世界に来ると知っていたの?。」



 「新たなる、色の魔導士の卵が来ると分かっていた。此の予知の能力でな。」

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