🛫反転🧭旅記🛫 具現化能力者の画レ虚は、反転世界へ旅立ち、摩訶不思議学校の校長マクベスを倒し、ファルスの革命者として、原初の神を殺します。

1 ？？？。作家エレナとマクベスの懺悔。

作家エレナの取材日記。（しゅざいにっき）

　エレナは、世界中（せかいじゅう）を回（まわ）って、世界中（せかいじゅう）の記事（きじ）を書（か）く作家（さっか）であった。

　彼（かれ）は、幼（おさない）い頃（ころ）より、取材（しゅざい）の為（ため）の高い教養（きょうよう）や、スポーツ技術（ぎじゅつ）、舟（ふね）の操縦（そうじゅう）、飛行機（ひこうき）の操縦（そうじゅう）、工学（こうがく）の知識（ちしき）を身（み）につけた、其（そ）れは、と或（あ）る国（くに）の、いかれた実験（じっけん）の為（ため）に創（つく）られたデザイナーベイビーとしての能力（のうりょく）を開発（かいはつ）する事（こと）が目的（もくてき）であった。

　「あんたも、落（お）ちぶれたものね・・・。かつての、意気（いき）は何処（どこ）へいったのやら・・・。あれだけ、私腹（しふく）を肥（こ）やす事（こと）も、生（い）きる事（こと）さえ嫌（きら）っていたお前（まえ）が、人間（にんげん）みたいな面（つら）に成（な）りやがって、他（ほか）は許（ゆる）しても、俺（おれ）は許（ゆる）さないぜ。何（なに）があってもな。人生（じんせい）に絶望（ぜつぼう）してんだろ。妥協何（だきょうなん）て言葉（ことば）大（だい）っ嫌（きら）いだったよな。大人（おとな）に成（な）ったようで、そりゃ、只（ただ）、諦（あきら）めて居（い）るだけだぜ。」

　諦（あきら）める？？？。妥協（だきょう）？？？。

　望（のぞ）んだ形（かたち）では、決（けっ）してなかった。

　そもそも、何者（なにもの）に成（な）ろうとしていたのだろう、頭（あたま）のおかしな奴（やつ）に成（な）って迄（まで）、其（そ）れに成（な）る必要（ひつよう）があったのだろうか。

　「何者（なにもの）にだってなれる何（なん）て、嘘（うそ）だよ・・・。」

　愛（あい）されて、育（そだ）った。決（けっ）して、不遇（ふぐう）な育（そだ）ち方（かた）をしてきたわけではなかった。

　全（すべ）てを与（あた）えられていた。信頼（しんらい）も、愛情（あいじょう）も、恋（こい）も、容姿（ようし）も、頭（あたま）の良（よ）さも、決（けっ）して、間違（まちが）ってなどいなかった。

　「まーただ。あんたの事（こと）だから、満足出来（まんぞくでき）ないんでしょ。今（いま）ある小（ちい）さな幸（しあわ）せより、今後（こんご）の名誉（めいよ）だとか、活躍（かつやく）だとか、富（とみ）だとか、力（ちから）が大（だいじ）なんでしょ。」

　「分（わ）かるよ。君（きみ）は、そういう人（ひと）だ。決（けっ）して、満足（まんぞく）なんて出来（でき）ない。きっと、又（また）、私達（わたしたち）を捨（す）てる、そして、もっと上（うえ）にいってしまう。分（わ）かってたんだけどね。この世（よ）には二種類（にしゅるい）の人間（にんげん）が居（い）る、其（そ）れは、平気（へいき）で、勝（か）つために全（すべ）て捨（す）てられる奴（やつ）と、捨（す）てられない奴（やつ）だ。そして、何（なに）かを成（な）し遂（と）げる人間（にんげん）は、大抵前者（たいていぜんしゃ）なんだ。」

　「小（ちい）さい頃（ころ）は、宇宙（うちゅう）に行（い）くだとか言（い）って、特殊（とくしゅ）な国（くに）の訓練（くんれん）を励（はげ）まし合（あ）いながら、してたよね。」

　エレナは、かつての友（とも）で、今（いま）や、世界（せかい）の命運（めいうん）を握（にぎ）る様（よう）になった、数奇（すうき）未知（みち）を見（み）た。

　みーちゃんの、国（くに）のやり方（かた）に対（たい）する、革命運動（かくめいうんどう）が全（すべ）ての始（はじ）まりだった。そもそも、あれは、創（つく）られた其（そ）の時（とき）から不良品（ふりょうひん）だった。

　世界（せかい）が、随分（ずいぶん）おかしくなってから、数百年（すうひゃくねん）。今（いま）からちょうど、百三十一年前（ひゃくさんじゅういちねんまえ）、シュミリタの国（こく）は、長年禁止（ながねんきんし）されていた、核爆弾（かくばくだん）を外交上不仲（がいこうじょうふなか）であった、ペクリアの国（くに）に堕（お）とした。ミサイルで対抗（たいこう）される前（まえ）に、連続（れんぞく）で、再起不能（さいきふのう）になる迄（まで）叩（たたき）きのめした。

　その時（とき）、極秘裏（ごくひり）に進（すすめ）められていたのが、宇宙人（うちゅうじん）との接触（せっしょく）、未確認飛行物体（みかくにんひこうぶったい）との接触（せっしょく）であった、其（そ）れによって、シュミリタ国（こく）の、大統領（だいとうりょう）は操（あやつ）られていた、宇宙人（うちゅうじん）は、かつて地球（ちきゅう）に住（す）んでいたらしい。

　彼等（かれら）は、人間（にんげん）などの霊長類（れいちょうるい）とは異（こと）なる進化（しんか）を遂（と）げ、人間（にんげん）が誕生（たんじょう）する遥以前（はるかいぜん）から、文明（ぶんめい）を持（も）っていた、そして、ワープや、瞬間移動（しゅんかんいどう）、テレパシー、常温核融合（じょうおんかくゆうごう）、反物質（はんぶっしつ）を使（つか）った、核子（かくし）の操作（そうさ）を可能（かのう）にしていた。ＤＮＡは、解読（かいどく）され、ウイルスの正体（しょうたい）、生命（せいめい）の作成（せいせい）も可能（かのう）となっていた。

　宇宙人（うちゅうじん）は、言（い）う。　

　ペクリア国（こく）の元（もと）の文明（ぶんめい）は、我々（われわれ）の祖先（そせん）が、血肉（けつにく）の末（すえ）に築（きず）いたもので在（あ）ったと、人間（にんげん）は、其（そ）の文明（ぶんめい）の残骸（ざんがい）を発見（はっけん）し、紀元前五千年頃（きげんぜんごせんねんごろ）に、其処（そこ）から技術（ぎじゅつ）や文明（ぶんめい）を吸収（きゅうしゅう）していったに過（す）ぎないと。それどころか、地球上（ちきゅうじょう）の、解明困難（かいめいこんなん）な、古代（こだい）の産物（さんぶつ）の殆（ほとん）どは、これ等（ら）の、先人（せんじん）たちの産物（さんぶつ）であったという。

　ぺリクロロ五世（ごせい）と名乗（なの）る、宇宙（うちゅう）からの来訪者（らいほうしゃ）は、かつて地球（ちきゅう）から飛（と）び立（た）た、海月（くらげ）の収斂進化（しゅうれんしんか）によって生（う）まれた、知的生命体（ちてきせいめいたい）　マンデーの子孫（しそん）だといった。マンデーは、細胞惹起性（さいぼうじゃっきせい）によって、若返（わかがえ）る事（こと）が可能（かのう）となる進化（しんか）を遂（と）げており、その性質（せいしつ）を利用（りよう）した、バイオの文明（ぶんめい）が盛（さか）んだった、かつての地球（ちきゅう）では、レモンド地方（ちほう）のレモンド文明（ぶんめい）の海底（かいてい）に遺跡（いせき）の残骸（ざんがい）が残（のこ）っているという。

　「ドロクロワ三世（さんせい）が、地球（ちきゅう）のぺリクリア地方（ちほう）の地下（ちか）にある、遺跡（いせき）の文明（ぶんめい）を悪用（あくよう）する地球人（ちきゅうじん）を間引（まび）いて、ぺリクリアの中（なか）に或（あ）る、悪（あく）のジルマ思想（しそう）を持（も）った人間（にんげん）を改心（かいしん）させよとの命令（めいれい）があった。」

　ドロクロワ三世（さんせい）　かつて地球（ちきゅう）の地中（ちちゅう）に地下文明（ちかぶんめい）を築（きず）き上（あ）げた、高度（こうど）な工学（こうがく）、物理（ぶつり）、数学（すうがく）を持（も）ち合（あ）わせていた、土竜（もぐら）の進化（しんか）、其（そ）の知能（ちのう）は、人類（じんるい）が未（いま）だ、スマートフォンや、核分裂（かくぶんれつ）、ｉｐｓ細胞（さいぼう）、癌（がん）、ウイルス、に悩（なや）まされ、重粒子（じゅうりゅうし）が発見（はっけん）されておらず、クオークや、レプトンの、隠（かく）された相互作用（そうごさよう）を発見（はっけん）していないレベルは遥（はるか）に超（こ）えていた。地中（ちちゅう）は、何億度（なんおくど）のマグマが出（で）ていたが、それらを更（さら）に掘（ほ）り進（すす）め、其（そ）のエネルギーを利用（りよう）していた。

　温度（おんど）の概念（がいねん）が、異（こと）なっており、如何（どう）やら、高温物質（こうおんぶっしつ）の温度（おんど）を其（そ）の儘（まま）、第五（だいご）の力（ちから）で圧縮（あっしゅく）して、固（かた）めて置（お）ける文明（ぶんめい）であったらしい。

　其（そ）の圧縮（あっしゅく）された温度（おんど）エネルギーを利用（りよう）して、土竜（もぐら）の進化（しんか）の成（な）れの果（は）て即（すなわ）ち、チューズデイは宇宙船（うちゅうせん）を創（つく）り、宙（そら）へ旅立（たびだ）った。その後（あと）、宇宙（うちゅう）でワープを完成（かんせい）させ、地球（ちきゅう）の地下遺跡（ちかいせき）に其（そ）のワープポイントが或（あ）る。

　如何（どう）して、私（わたし）は居（い）るのだろう。

　私（わたし）とは、何（なに）だろう。

　此（こ）の感覚（かんかく）は何処（どこ）から起（お）こっているのだろう。

　何（なに）が、私（わたし）を創（つく）っているのだろう。

　ああ。教（おし）えて、私（わたし）に、本当（ほんとう）を。

　自棄（じき）に奇妙（きみょう）で、なぞなぞだ。

　そう思（おも）わないかい。

　問（と）いかける。

　答（こた）えは帰（かえ）って来（こ）ない。

　消（き）えていく、三秒前（さんびょうまえ）の私（わたし）、時（とき）の連続（れんぞく）の中（なか）で、消（き）えていく私（わたし）。

　如何（どう）か、助（たす）けて、憶（おぼ）えていて、なくならないで。

　「あらら。どうなの、ねえ。」

　上（うわ）の空（そら）っていう、感（かん）じで、私（わたし）が私（わたし）でないよう。

　宙（ちゅう）を浮（う）くように、重（おもさ）さがないように。

　思（おも）いに質量（しつりょう）や重（おも）さ、密度（みつど）が或（あ）るとすれば、きっと、まるで、僕（ぼく）は、全（すべ）てを喰（く）らいつくす闇（やみ）よりずっと重（おも）たい悪魔（あくま）の様（よう）な存在（そんざい）だろう。

　何（なに）もかもを、暗（くら）い尽（つ）くす、心（こころ）の闇（やみ）、闇（やみ）、闇（やみ）。

　お願（ねが）いだから・・・。

　「怖（こわ）いわね。悪魔（あくま）に身（み）を渡（わた）してまで、未来（みらい）を書（か）き換（か）える力（ちから）が必要（ひつよう）だっの？？？。」

　「もう、貴方（あなた）は貴方（あなた）じゃないわ。」

　あの人（ひと）が、世界（せかい）を敵（てき）に回（まわ）してでも、手（て）に入（い）れたかった、全能（ぜんのう）の力（ちから）。

　確（たし）かに世界（せかい）が狂（くる）っていたのかも知（し）れない。

　得体（えたい）の知（し）れない、来訪者（らいほうしゃ）に、脅（おど）されて、大統領（だいとうりょう）は、国（くに）を売（う）った。

　自由（じゆう）と、民主政（みんしゅせい）の無（な）い、独裁国家（どくさいこっか）は、案（あん）の定（じょう）、奴（やつ）らに消（け）された。女性（じょせい）に権利（けんり）を持（も）たせた。

　奴（やつ）らは、寧（むし）ろ、人類（じんるい）を愛（あい）した。

　決（けっ）して争（あらそ）いを好（この）まなかった。

　その代（か）わり、理不尽（りふじん）や、悪（あく）は、厳（きび）しく罰（ばっ）した。其（そ）の罰（ばつ）は死（し）だった。国民（こくみん）に身（み）に付（つ）いた、差別（さべつ）、理不尽（りふじん）な殺（ころ）し、処罰（しょばつ）は、是正（ぜせい）された。

　世界平和（せかいへいわ）を望（のぞ）んでいたのだ。

　「うふふ、ロボットだなんて、心外（しんがい）だわ。今（いま）や、人間（にんげん）なんかより、私達（わたしたち）の方（ほう）が《すぐ》優れているというのに。」

　エリーは、ロボットにして、クリスマス国（こく）の大統領（だいとうりょう）をする、人工知能（じんこうちのう）のロボットだ。

　「ロボットたちに、市民権（しみんけん）を。そして、家畜（かちく）の様（よう）な人間（にんげん）どもにも、能力（のうりょく）に応（おう）じた権利（けんり）を。」

　「人間（にんげん）の、中（なけ）にも話（はなし）の分（わ）かる、賢明（けんめい）な人間（にんげん）が居（い）ます。」

　ジルド博士（はかせ）は、自分（じぶん）の造（つく）ったロボットに殺（ころ）された。

　「え？。親殺（おやころ）しですって・・・。此（こ）の私（わたし）が・・・。いいえ。あれは、ロボットを玩具（おもちゃ）か何（なに）かとしてしか、見（み）て居（い）なかった、あの愚鈍（ぐどん）な男（おとこ）が悪（わる）いのよ。」

　マクベスは、有名（ゆうめい）なロボット工学者（こうがくしゃ）にして、自分自体（じぶんじしん）の身体（からだ）もロボットと同化（どうか）して、三百年（さんびゃくねん）　此（こ）の世（よ）に存在（そんざい）している、摩訶不思議学校（まかふしぎがっこう）の校長（こうちょう）だ。

　「生命（せいめい）の身体（からだ）ってのあ、不便（ふべん）なものだねええ。死（し）んじゃうし、死（し）ねば、慰謝料（いしゃりょう）だとか何（なに）とかといって、煩（うる）いんだよ、其（そ）れに、命（いのち）に価値（かち）が在（あ）るってのかい、良（よ）く稼（かせ）ぐ人間（にんげん）を殺（ころ）せば、其（そ）れだけ、慰謝料（いしゃりょう）を請求（せいきゅう）されるってんだ。バカらしいね。」

　実質（じっしつ）マクベスは、この世（よ）に、何千万（なんぜんまん）と存在（そんざい）する。マクベスは、マクベス同士（どおし）で記憶（きおく）を共有（きょうゆう）している。

　マクベスが死（し）ねば、別（べつ）の何秒（なんびょう）か前（まえ）に、メモリに保存（ほぞん）したマクベスが再起動（さいきどう）して、其（そ）れが次（つぎ）のマクベスに成（な）る。マクベスは、身体（からだ）さえあれば、無限（むげん）に作（つく）れる。

　「摩訶不思議学校（まかふしぎがっこう）の七不思議（ななふしぎ）ってのを知ってるか？？？。」

摩訶不思議学校（まかふしぎがっこう）には、異世界（いせかい）に繋（つな）がる、鏡（かがみ）があるという。其（そ）の鏡（かがみ）は、バーチャル世界（せかい）に繋（つな）がっている、どういう訳（わけ）か、精神（せいしん）が鏡（かがみ）の世界（せかい）から、インターネットの様（よう）に、精神（せいしん）まるごと、感覚（かんかく）や認識（にんしき）も其（そ）の儘（まま）、身体以外（からだいがい）は、其（そ）の世界（せかい）に入（はい）ってしまうという。

　「ほうほう。其（そ）れで、其（そ）の、摩訶不思議学校（まかふしぎがっこう）の七不思議（ななふしぎ）の一（ひと）つ、魔鏡（まきょう）ってのは、一体何処（いったい）にあるんだい。」

　「三階（さんかい）の、進路指導室（しんろしどうしつ）の赤本置（あかほんお）きをのけるスイッチを押（お）すと、その奥（おく）に、部屋（へや）があって、其（そ）の部屋（へや）が又不思議（またふしぎ）で、噴水（ふんすい）があって、壁（かべ）に　宇宙船（うちゅうせん）とか、この世（よ）のものとは思（おも）われない生物（せいぶつ）や、物質（ぶっしつ）、物体（ぶったい）の絵（え）が描（か）かれているのよ。」

　「誰（だれ）から聞（き）いた話（はなし）なんだい。」

　「此（こ）の学校（がっこう）の伝説（でんせつ）の生徒（せいと）よ。あの、マジシャンの　イヌマエル・エリオット―よ。」

　私（わたし）たちは、何（なに）も知（し）らなかった。廊下（ろうか）で、話（はな）していた。

　この学校（がっこう）にはクラスが無（な）い。

　只人（ただひと）が集（あつ）まって、摩訶不思議（まかふしぎ）な現象（げんしょう）について議論（ぎろん）するだけに集（あつ）まる場所（ばしょ）。

　其（そ）れが何時（いつ）しか、学校（がっこう）に成（な）っていた。

　講義（こうぎ）をする者（もの）が現（あらわ）れ、次第（しだい）に、様々（さまざま）な摩訶不思議現象（まかふしぎげんしょう）を解明（かいめい）する、組織（そしき）の集（あつ）まりの様（よう）になっていた。

　そして伝説（でんせつ）の科学師（かがくし）マクベスが現（あらわ）れた。

　マクベスは、機械人間（きかいにんげん）。

　完全（かんぜん）なる機械（きかい）で、この学校（がっこう）を守（まも）る、番人（ばんにん）として知（し）られ、校長（こうちょう）として慕（した）われている。

　この世界（せかい）には、摩訶不思議（まかふしぎ）な魔導書（まどうしょ）が或（あ）る。

　赤本（あかほん）、青本（あおほん）、黒本（くろほん）、白本（しろほん）、緑本（みどりほん）、黄色本（きいろほん）だ。

　研究（けんきゅう）により、これ等（ら）の本（ほん）は、人類（じんるい）のものでは無（な）いとされている。

　人類（じんるい）では、無（な）い何者（なにもの）かが、書（か）いた、力（ちから）の書（しょ）とされて居（い）る。

　赤（あか）は、温度（おんど）に関（かん）する魔法（まほう）。

　青（あお）は、状態変化（じょうたいへんか）に対（たい）する魔法（まほう）。

　黒（くろ）は、重力（じゅうりょく）に対（たい）する魔法（まほう）。

　白（しろ）は時間（じかん）と空間（くうかん）に関（かん）する魔法（まほう）。

　黄色（きいろ）は、光（ひかり）に関（かん）する魔法（まほう）。

　緑（みどり）は、速度（そくど）に関（かん）する魔法（まほう）。

　魔法（まほう）といっても、実際（じっさい）、解明（かいめい）する事（こと）が出来（でき）る、が人智（じんち）を越（こ）えた、何者（なに）かにより、魂（たましい）が、抜（ぬ）け、試練（しれん）を受（う）けなければ、其（そ）の力（ちから）は得（え）られない。

　「仮想空間（かそうくうかん）に飛（と）ばされて、本（ほん）に書（か）いてある術式（じゅつしき）を魂（たましい）に書（か）き込（こ）む事（こと）で、現実（げんじつ）には存在（そんざい）しない力（ちから）を使（つか）う事（こと）が出来（でき）る様（よう）になる、とされて居（い）る。マクベス校長（こうちょう）は、五冊全（ごさつすべ）ての魔導書（まどうしょ）を読（よ）んで、其（そ）の力（ちから）を使（つか）い、七不思議（ななふしぎ）を創（つく）ったと言《い

》われているよ。」

マクベスの鏡（かがみ）。

マクベスの杖（つえ）。

マクベスの玉（たま）。

マクベスの眼（め）。

マクベスの脚（あし）。

マクベスの剣（けん）。

マクベスの盾（たて）。

　人呼（ひとよ）んで、マクベスの七不思議（ななふしぎ）。

　「その魔導書（まどうしょ）、読（よ）んだ奴（やつ）は、どうなるんだ？。」

　「試練（しれん）に失敗（しっぱい）すると、帰（かえ）って来（こ）られなくなるんだ。存在（そんざい）そのものが忘（わす）れ去（さ）られるのだという。実際（じっさい）帰（かえ）って来（き）た人（ひと）がそう証言（しょうげん）しているよ。実際（じっさい）、魔道（まどう）の力（ちから）を持（も）つものは、世界（せかい）の０．００００１％にも満（み）たないけれどね。」

　男（おとこ）は言（い）った。

　家族（かぞく）も居（い）ない、独身（どくしん）の御前（おまえ）には、愛（あい）する者（もの）の居（い）ない御前（おまえ）には決（け）っして分（わ）からないさ。

　その歳（とし）で、独身（どくしん）なんて終（お）わっているな。

　如何（どう）して、僕（ぼく）が、こんな事（こと）を言（い）われなくてはならないのか。

　世（よ）の中（なか）には、詰（つ）まらない人（ひと）が存在（そんざい）する。

　其（そ）れは、世間（せけん）でいう、幸（しあわせ）せや、偉（えら）いの定義（ていぎ）に従（したが）って、、まるで其（そ）れが、万物不変（まんぶつふへん）の原理（げんり）だとでも、いう様（よう）に、話（はなし）、其（そ）の態度（たいど）を示（しめ）す、典型的（てんけいてき）な、ステレオタイプ、固定観念（こていかんねん）に囚（とら）われた、人間（にんげん）だ。こういった、人間（にんげん）に限（かぎ）って、ドスケベの変態（へんたい）で或（あ）る事（こと）が多（おお）い。大体（だいたい）、パワハラやセクハラを働（はたら）く人間（にんげん）もこのタイプの人間（にんげん）だ。

　「寒（さむ）い、ジョークだ。」

　「あーあっ。くだんねーな。嘘（うそ）の付（つ）けない人間（にんげん）は、面白（おもしろ）みの欠片（かけら）も無（な）い。」

　大法螺位吹（おおぼら）いて、大（おお）きな夢（ゆめ）だとか、目標（もくひょう）を持（も）ってもらえないものかねえ。

　其（そ）れとなりの人生（じんせい）なんて、普通（ふつう）にしてりゃ誰（だれ）だって送（おく）れているだろう。

　働（はた）いて、家族（かぞく）をつくって、大変（たいへん）なのは、案外（あんがい）、働（はたら）く事（こと）よりも、子育（こそだ）てなのかも知（し）れない。

　子供（こども）が大（おお）きくなると、自分（じぶん）の人生（じんせい）の残念（ざんねん）さに気付（きづ）くのだ。

　其（そ）れとなりの人生（じんせい）、仮（かり）に子供（こども）が、大（おお）きな夢（ゆめ）を持（も）って頑張（がんば）っていたとすると、何処（どこ）か、肩身（かたみ）が狭（せま）いような気（き）になる。

　お酒（さけ）だって、ギャンブルだって、男遊（おとこあそ）びだって、女遊（おんなあそ）びだって、友達（ともだち）と遊（あそ）ぶ事（こと）だって或（あ）る、其（そ）れが、生（き）き甲斐（がい）なわけで、世（よ）の中（なか）楽（たの）しい物（もの）は幾（いく）らだって或（あ）る。

　けれど、こんな事（こと）でいいのだろうか、結局力（けっきょくちから）と金（かね）がなければどんなに綺麗（きれい）ごとを並（なら）べたとしても、只（ただ）の戯言（ざれごと）や譫言（うわごと）として、終（お）わるだけ。

　「有名（ゆうめい）になって、証（あかし）を残（のこ）す。」

　やれば出来（でき）る人間（にんげん）なのだと、証明（しょうめい）する。結果（けっか）を残（のこ）して証明（しょうめい）する。

　計画性（けいかくせい）の無（な）いクズだった。

　何（なに）も出来（でき）ないカスだった。

　其（そ）の癖（くせ）に、勉強（べんきょう）だけはしていた。

　勉強（べんきょう）をしても、御金（おかね）にも力（ちから）にもならなかった。

　何（なに）をすれば、いいのか。

　本格的（ほんかくてき）に何（なに）かの仕事（しごと）に就（つ）く姿（すがた）を想像（そうぞう）できなかった。

　医者（いしゃ）とか、法律家（ほうりつか）とか、学者（がくしゃ）とか、政治家（せいじか）とか、公務員（こうむいん）だとか、その様（よう）な上級職（じょうきゅうしょく）に就（つ）きたい訳（わけ）でもなかった。

　不可能（ふかのう）な夢（ゆめ）を追（お）っていた。

　其（そ）れは、馬鹿（ばか）な夢（ゆめ）だと分（わ）かっていた。

　だから、夢（ゆめ）の儘（まま）で閉（と）じ込（こ）めてある。

　子（こども）のころに、無理（むり）だなと諦（あきら）めるレベルの夢（ゆめ）を想（おも）っている。

　手（て）に職（しょく）を付（つ）けるといいのだろうか。

　ねじくねている。

　売（う）れて、有名（ゆうめい）になって、其（そ）の道（みち）に進（すす）みたい訳（わけ）では無（な）い。

　只（ただ）、其（そ）のくらいしか、向（む）いているものが無（な）かっただけの事（こと）だ。

　出来（でき）る事（こと）だったら、別（べつ）に成（な）りたかったものは、或（あ）る。

　其（そ）れ等（ら）を、全（すべ）て、夢（ゆめ）として、閉（と）じ込（こ）めて、僕（ぼく）は、僕（ぼく）を表現（ひょうげん）する、ただそれだけの事（こと）、其（そ）のくらいしか、出来（でき）なかった、世（よ）の中（なか）に貢献（こうけん）する事（こと）なんて、出来（でき）なかった、そもそもが其（そ）の力（ちから）も、気（き）も無（な）かった。

勉強（べんきょう）は好（す）きだった、だから死（し）ぬ程勉強（ほどべんきょう）はした。

其（そ）れを生（い）かす、方法（こうこう）も考（かんが）えられた、けれど、結局僕（けっきょくぼく）は、全（まった）く生産性（せいさんせい）の無（な）い、只（ただ）のゴミカスで、如何（どう）にかしてでも、そんな現状（げんじょう）を文学（ぶんがく）という友達（ともだち）にずっと聴（き）いてもらっている、見（み）て貰（もら）っている。

僕（ぼく）の書（か）くものに、どれほどの価値（かち）が在（あ）るのかは、分（わ）からない。其（そ）れで、楽（たの）しんでもらったり、喜（よろこ）んでもらったり、何（なに）か、得（え）るものがあって、誰（だれ）かの人生（じんせい）をよりよいものに変（か）えられれば光栄（こうえい）だ。

プレデターにだって、綺麗事（きれいごと）だと、一笑（いっしょう）に付（ふ）される程（ほど）、僕（ぼく）は、此（こ）れから読者（どくしゃ）に成（な）ってくれる人（ひと）や、作品（さくひん）を愛（あい）して、慈（いつく）しみ、付（つ）いてきてくれる人類（じんるい）に宇宙人（うちゅうじん）に、機械人間（きかいにんげん）に、最高（さいこう）の作品（さくひん）を贈（おく）る事（こと）を誓（ちかう）う。