9 文殊画レ子は、摩訶不思議地帯に行く前に海底列車で、バルマと戦い実力を測られた。

 「よう。ベム」


 と挨拶あいさつをしてきたのは、バルク。


 オレンジ色のジャケットと来た、百六十センチくらいの背丈せたけの髪のオレンジ色で目がオレンジ色の耳にえらようなもののついた少年の様だった。


 「久しいな。」


 「其れでよ。ベム。さっきから気になってたんだが、其の子は???。」


 「ああ、彼女は・・・。」


 「私、文殊もんじゅ 画レえれこ 魔法学校まほうがっこうに行く予定だってので同行を・・・。」


 「駄目だめだ、駄目だ。こんな女。こんな奴きっと死ぬぜ。」


 と、あからさまに拒否きょひをするバルク。


 「確かに不安は残るが、私が稽古けいこをつけた、其れに、俺らが援護えんごすれば何とかなるだろ???。」


 「どうして、俺たちが、こんなどこぞのものとも知れない小娘こむすめを助けなきゃならねえんだよ。なんだ、同じ人間だから、情でも沸いたか???。え?」


 「彼女と闘ってみて分かった事が或る。画レ虚は俺たちより強くなれる素質そしきが或る。」


 「こんな奴がか・・・。・・・。???。よし分かった、其れじゃあ死ぬがいいさ、精精頑張せいぜいがんばるんだな。」


 険悪けんあくなムードの中、私達は、海底列車かいていれっしゃに乗った。


 「海底列車って何ですか???。」


 「何でも、此の世界に人が来始めた頃、誰かが始めた無謀むぼう企画きかくだったらしい。其れが・・・。今や、魔法の力、能力の力で実現じつげんしちまったのさ。海抜かいばつ千メートルの海の奥底を走る列車がな。」


 列車からは、深海魚や、見た事もない、動植物が生態系を成しているのが見えた。


 「竜宮城りゅうぐうじょうっていうらしいな。地球じゃ・・・。或るんだぜ此の世界にはよ、其の城が。」


 窓に映ったのは知ろだった。


 「未解明みかいめいの城だ。誰が創ったのかも分からねえ。この世界にはじめに来たとされる四人の者達でさえ、知れないんだ。それ以前に何者かが此処へ来ていた証拠なんだ。今も発掘調査はっくつちょうさが進んでる。其れに其処は、今や、海底都市の一角を担う、観光すっぽっとに成ってる。海底で呼吸が出来る様になる、草が見つかってから、海底に人が住むようになった、此の都市には、ざっと二百人程度の人が暮らしているが、その大半は、俺の様な魚人間さかなにんげんだ。」


 「魚人間と言うのは?。」


 「バルクには鰓の様な耳が付いているだろ、其れが魚人間で或る証拠なんだ、彼は、


水の惑星わくせいノアから来た、


デール人ってことさ。」


 とベムが言った。


 「って事だ。悪いな。わざわざ海底列車に乗ったのは訳もねえ。おめえの実力を試させてもらう為さ。来いよ画レ虚さんよ。」


 深海の駅で降りた私たちは、海底で戦う事になった。


 「出て来て、私の幻影実態げんえいじったい 鬼ちゃん メロン!!!。」


 こいつはまさか!!!。実態を持ったイメージ具現化するのか!!!とバルマは思った。

 

「ピストルショット。」


 ダンダンダン。


 画レ虚と幻影たちの手にピストルが握られる。


 バルマは心の中で、これは、チートか此奴。だが・・・、と思う。


 「海人斬かいじんきる海の太刀。滅せヨ。神速しんそく。」


 目に見えない一瞬の速さで味方がなぎ倒され、画レ虚は気絶していた。


 眼が覚めると其処は、森だった。烏の不気味な鳴き声が聞こえる。


 「着いたぞ。起きろー。」


 「危なっかしい奴だぜ。」


 「残念だったねピストルの速さじゃ、バルマは倒せないよ。決してね。」


 「けど、まあ、あれだけできりゃ、雑魚ざこは倒せるし、強敵から身を守る程度の事は出来るだろうからな。くれぐれも死ぬなよ、画レ虚。」


 「ありがとう、二人とも。」




と、画レ虚はにっこり笑った。


不覚にも、其の笑顔が可愛くて、守べきものの様に見えて、バルマは、グラッと来て顔を逸らして終った。


「其れで、此の森は???。」




「森じゃねえ幻覚だ其れは、迷路が見えないのか???。ったく。」




と言って、バルマ君は、私のおでこにデコピンをした。デコピンと同時に画レ虚の幻惑が解けた。フョームを流したのだ。


「あ、此処ここは。」


幻覚から目を醒まし見開く、眼。


摩訶不思議地帯まかふしぎちたいだよ。危険だから気御付けてね。」


「はい。」


こうして、危険な摩訶不思議地帯の攻略が始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る