概要
海を渡った息子。彼の「動機」を追う父。
息子が交通事故で意識不明。場所はアメリカ。それだけでも寝耳に水だが、親に黙って結婚し、イスラム教に入信していたことまで発覚! 熟年夫婦は急遽訪れたアーカンソー州の小都市で、そんな息子と三年ぶりに「再会」する。
降って湧いた義理の家族とともに息子の回復を願ううち、彼が家を出てからの異文化生活が徐々に姿を現す。父親の胸中では息子との長年のわだかまりが今も渦巻いているが、この「問題児」の新たな一面も見えてきて……。
彼はなぜ家を出たのか。彼は信仰に何を求めたのか。
一緒に暮らしていてすら不透明だった息子の心のありかを、この非常時に父は突き止められるか?
亀裂と修復。異文化と宗教。秘密と真相。
小説をじっくりと味わいたい方におすすめの、読みごたえあるヒューマンドラマです。ぜひお楽しみください!
降って湧いた義理の家族とともに息子の回復を願ううち、彼が家を出てからの異文化生活が徐々に姿を現す。父親の胸中では息子との長年のわだかまりが今も渦巻いているが、この「問題児」の新たな一面も見えてきて……。
彼はなぜ家を出たのか。彼は信仰に何を求めたのか。
一緒に暮らしていてすら不透明だった息子の心のありかを、この非常時に父は突き止められるか?
亀裂と修復。異文化と宗教。秘密と真相。
小説をじっくりと味わいたい方におすすめの、読みごたえあるヒューマンドラマです。ぜひお楽しみください!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!身近な他者の幸福を求むることは、どうしてこれほど難しいのか
視点人物が定年後の高齢男性、しかも純粋に現代社会を舞台にした作品ということで、昨今のウェブ小説としては少々異端視されるかもしれない一作。
ただ、私個人としては「これこそ小説らしい小説だ」という感想を抱かされる一遍であった。
文章に浮ついたところがなく読み心地が軽すぎない。物語の展開や扱うモチーフに文化的な教養が感じられる。かつ、話の本筋においてはあくまでも普遍的なテーマが中心に据えられている。「良き家族であること」の困難さは、個々人の多様性が注目される昨今だからこそ多くの人々にとって他人事ではいられない問題であろう。
くわえて、本作では物語の起承転結、とくに「転」の部分もきちんと…続きを読む