丁寧な描写で「家族」のリアルを描いたヒューマンドラマ

ありえなくはないが、普通に暮らしていれば起きそうもない事件――そんなものに自分の家族が行き当たってしまったとき、人はどうするのか、何を考えるのか、そして何が明らかになるのか。

息子への心配、期待、そしてエゴ――父親からの視点で描かれる物語を読み進むにつれ、「この息子はいったい何を感じ、考えていたのだろう」と、父親とともに、その疑問を解明したくなり、ページを送る手がどんどん早くなっていきました。