緑の中を歩く。『生きる』切なさを抱えて

革の財布ひとつ持って、西東京の遊歩道をぶらぶらと歩いていく。
ただそれだけのお話ですが、読んでいくと今の世相を反映した切なさがにじんできます。
決して「俺が、俺がっ」と言うような声高な主張ではなく、気ままに散歩しながらつぶやくような……
同年代の人は身につまされるでしょうし、私のような中高年は、そういう時ってあったなぁと少し感傷的に思い出すでしょう。
毎日が息苦しくなったら、主人公と一緒にぶらぶらと遊歩道を歩いてみませんか?
ひと息つけば、また歩き出せるかもしれません。

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