怪異×探偵×名古屋メシ!

洗練された東京とも、コテコテの大阪とも違う、独自の文化を育んできた名古屋。
そんな日本のミステリーゾーン名古屋を舞台に、ちょっと(どころじゃない)感受性の強い青年「服部 朔」が、怪奇事件専門の探偵「樹神 皓志郎」と共に、現実と非現実のあわいに存在する怪異に立ち向かう!
ホームズ×ワトソン型のバディもので、超強力な助っ人美女も登場!名古屋メシもてんこ盛り!みんな大好きなやつだがや!

そして、連作短編の形で進む物語に横串を通すのは、主人公服部少年のとある思い出。果たして次々と起こる一連の怪異の裏側にある事件の真相、そして服部少年との関係とは……?

さてさて、この主人公の服部少年なんですが、感受性が強すぎるあまりに、本来知覚できないものを知覚しちゃうという特殊な体質を持ってるんですね。
それがまぁ、普通の人と距離ができる原因になっていて、孤独を感じて生きてきているんですけど、そんな服部少年が、理解ある大人たちと出会い、自身を苛む特殊な力「共感応」を使って難事件を解決することで、自分自身や過去とも向き合い成長していきます。

共感応とまでは言いませんが、人と違うってだけで疎んじられる人ってやっぱり現実にも結構います。普通とは違うから周りはそれを理解してくれなくて、自身も理解されることを諦めて、多感な思春期を鬱屈して過ごした人も少なくないはず。特に創作界隈には(←個人的なイメージ)。
ナンバーワンじゃなくてオンリーワンとは言うけれど、オンリーワンだからって幸せとは限らない。個性という単純な言葉で片付けられるほど人間は単純じゃない。そんなパーソナリティと、人は、自分はどう向き合えばいいのだろう。
服部少年の背中を追っていると、そんな気にならずにはいられませんでしたねぇ。

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