書店に並んでいてもおかしくないクオリティ

名古屋を舞台に、現実と異世界の狭間で起こる怪異事件を、異能を持つ個性的なキャラクターが解決に導いていきます。

丁寧な情景描写はわかりやすくて、名古屋の風景は勿論のこと、鮮やかな色味を持つ異世界の情景が手に取るように浮かんできます。繊細な心理描写も秀逸で、感情移入を高めます。

主人公の服部少年はセンシティブで、何やらトラウマを持ってるのが窺えます。彼が抱える紙一重な危うさを、探偵の樹神先生や妖艶な美女の百花さんがサポートをして事件を追っていくわけですが、一筋縄ではいかないスリリングな展開が彼らを待ち受けています。どの登場人物も魅力的で、その世界にいつまでも浸りたい気分になりますね。

また、ご当地小説としての側面も色濃く、名古屋のグルメも紹介されていて、知識欲だけでなく食欲まで刺激されます。本当に美味しそうなので、夜中に読まれる方はご注意を。

書店に並んでいてもおかしくない本作を是非、ご覧ください。

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