日常の怪異を解き明かす令和時代の探偵事務所。此処にあり!

 樹神探偵事務所で助手をしている主人公、服部朔は共感応の特殊能力を持っている。そんな彼が、雇用主である皓志郎と調香師・百花と三人で依頼のあった怪異事件の調査に乗り出し、事件を解決してゆくミステリー調現代伝奇。

 現世と幽世の狭間を往復したり、生霊や死霊が出てきたりするが、薄気味悪い、後味悪いレベルなのでホラーが苦手な方でも問題なく楽しめるエンタテインメントだと思う。

死霊の怨念や生霊の思いが渦巻く世界観。
そんな中、朔は己がどうあるべきかを問い掛け、一歩一歩歩き出す。

さり気なく入ってくるB級グルメの飯テロあり。
最初から最後まで通して読むと、全て繋がっているという仕立て。
全体的に読みやすい構成で、気が付くとあっという間にすらすらと全話読めてしまう。

夢枕獏の「陰陽師シリーズ」がお好きな方にオススメ。

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