「共感応トワイライト」の続編が一年のときを経て登場!

服部“ぼっちと見せかけて隠れリア充”朔と樹神“頼りになるけどたまに気障な伊達男”皓志郎が、骨董店「懐古堂」の謎多き女店主カイコさんを加え、東海随一の大都市名古屋を舞台に、巷に起こる不可思議な怪事件に挑む!

本作も、前作「共感応トワイライト」と同様、物品に込められた霊的思念を巡り、人の琴線に触れるヒューマンドラマに溢れたお話が、読者に寄り添うような筆致で描かれた連作短編です。
前作は主人公服部くんの物語が横串を通すように展開されましたが、今回のメインは新キャラカイコさんの物語。どの章のお話も素敵でしたが、メインのお話だけあってカイコさんの物語は特に良かったですね~。白い蝶のブローチをした懐古堂のカイコさん。白い蝶でカイコさん……?
また、ドラマの魅力もさることながら、舞台となった名古屋の地理と風土の豆知識や、ご当地グルメが作中にふんだんに登場し、旅行気分を味わえるのが本シリーズの特徴。
いやはや、ご当地グルメの飯テロも含めて、今回も堪能させていただきました。

結局さぁ、服部くんが好青年なんだよな。大学ではぼっちで、決してコミュ力は高い方じゃないんだけど、根は優しくてさ。結果、リア充なわけ。こういう時代だから、みんな服部くんみたいに優しくなれるといいよね。

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