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こちらの作品は「共感応トワイライト 〜なごや幻影奇想ファイル〜」の続編となりますが、この作品単体でも楽しめます。キャラクターの設定や役割は本作でもしっかり説明されておりますので、ぜひ、読みたい方から読んでください。

本作はお仕事系の小説のように章ごとに扱うテーマ(骨董品)が決まっており、一つずつ依頼を解決することで物語が進んでいきます。連作短編の形式ではあるのですが、まず章ごとの完成度がすごい!一章読むだけで一つの完結作品を読んだくらいの満足感があります。
事前に散りばめられていた何気ないセリフやシーンが全部伏線となってラストに集約され、仕込まれたミスリードは読者の期待を良い意味で裏切ってくる。話の引きもうまく、どんどん先を読んでしまう仕掛けがいっぱいあり、章のラストは必ずカタルシスを得られます。ああ良いものを読んだ…という感覚がなんと四章分!
これだけで既に贅沢ですが、今回は続編ということもあって、主要メンバーである百花さんの過去や樹神先生との関係などここまで読んできた読者の興味を引き付けて離さないテーマばかり。
もちろんラストの章はこれまでの集大成といった内容でこれまで出てきたすべての要素が回収され、大満足のエピローグでした。正直に言うと、なぜこの作品が本屋さんで売っていないのかわかりません。
時にはくすっと笑えるキャラクター同士の掛け合いや飯テロ描写など、あらゆる手で最初から最後まで読者を楽しませてくれる作品です。
読んで損はさせません。気になった方はぜひ、樹神事務所の扉を叩いてみてください。

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