懐古しては人の想いを導く物語

前作に続いてこちらは物が導く怪異の物語です。
こちらでは大学生になった服部君の成長を感じることが出来ます。助手としてバイトしている探偵事務所、樹神先生のおつかいで骨董店、「懐古堂」を訪れます。
そこで新しく出会う人物が「カイコさん」です。
この方が本当に魅力的な人物で、登場人物同様、読者側もカイコさんの話術に惹き込まれてしまう程です。
残された物が導く物語はやはり切なく、悲しく、心に残る程に深いものです。

そしてこちらでもご飯、です。本当に美味しそうでいつか名古屋を訪れた時は食べたいと思いました。
その時に彼らを思い出すのだろうな、と思うと楽しみです。

読み終えた後、人が宿した想いの深さを思い返し、じんわりと未練がましくも登場人物たちの幸せを、その後を思わずには居られなくなるのです。
過ぎ去った過去に思いを馳せながら、優しく終わる物語を是非、ご一読ください。

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