空と地を繋ぐ未来は選択の日々
- ★★★ Excellent!!!
空に浮かぶ天空都市「彩雲」。往来を断たれた人は運び屋『藍銅鉱(アズライト)』の噂を聞きつけて地上を目指そうとする。
しかし、この運び屋は天から地への一方通行である。地上へ行けば「彩雲」に戻ることは叶わない。
そして地上に降り立つまでの間、機械を食い散らす異形「天空鬼」の危険が伴う。その身一つで降りるのだから、運び屋同様に依頼者もまた、相当な覚悟が必要と言えよう。
同時にこれは選択の物語でもある。その判断はそれぞれに委ねられ、選択してからも続く重いものだ。
「後悔しない選択」という言葉はあまりにも重い。それでも自分が選んだ選択を彼らは生きていかなければならないのだ。
そんな依頼者を運ぶ運び屋『藍銅鉱』は男二人のバディアクションだ。
タイクウとヒダカ。二人にはそれぞれに抱えているものがある。タイクウの秘密はあまりにも重いものだ。その「いつか」の来ないことを祈りながら進む物語は手に汗握る展開が訪れる。
選択とは熟慮して選ぶだけではない。その一瞬で選択しなければならない場面が彼らには訪れる。その危うさは見ているこちらの息を止めてしまう程だ。
それでも彼らはその時の最善を選択するのだろう。その選択が例え、後悔であったとしても、すれ違ったとしても、選ぶのはその時の最善なのだ。
目の前に広がる青い空には「天空鬼」がいる。それでも彼ら二人がいればどこまでも広がる青い空が見える。
二人だけではなく依頼者もまた、選択する未来を繋いでいく物語です。