選びとった道。後ろを振り返らないで

爽やかほんわか青年とぶっきらぼうな若者とのバディものです。
天空都市と地上都市が分たれた世界、互いに自由には行き来できない二つの地。しかしこの二人はその間を飛んで、地上に降りたい人々を運ぶ「運び屋」。
なぜそんなことが可能なのか。それは二人の過去と大いに関わっています。

その過去の出来事はこのレビューでなく本編でご覧いただきたいのですが……


依頼人たちに確認されるのは、本当に地上行きを後悔しないか、という一点。

私たちも過去を振り返れば、身体を引き裂かれると思うほど苦しみを感じる時もあるでしょう。
でも過去には戻れません。前を向いて行かなくてはいけない。
一人一人の依頼人を彼らと共に見送る時、改めて思うのです。

そんなふうにバディ二人に励まされ、教えられながら読み進む読者として、物語において気になるのは、「彼ら」の未来。
一体、どんな運命へ進んでいくのか。

タイトルを噛み締めながら読んでいただきたい優れた作品です。





レビュアーはほのぼの温和ながら、芯の強さが見えるタイクウさんが好きです、とこっそり告白しておきます。

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