アップルパイとラズベリー

米国人の彼と、英国にルーツを持つ彼女の関係は、最近うまくいっていない。破綻は「アップルパイの味」という些細だが深刻な文化的対立をバネに生じるが……?

マドレーヌを食べて遠い過去の記憶を思い出すという有名な作品がありますが、ラズベリーを見つめて現在に立ちこめた靄を晴らすというのは……、酸味のきいたお洒落なアップルパイを食べたときのような満足感があります。ラズベリーの花言葉を胸に刻んで、他者の文化を受け入れること。家族におけるコミュニケーションについて深く考えさせられる短編です。米国風アップルパイ並に甘く、英国風アップルパイ並に小気味よいですよ!

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