パーフェクト・ワン！

さっちゃんは、素で読者を笑わせにきます。まず、最初のセリフ。

「生きているうちにフォッサマグナを越えるとは」

これは、印象的すぎて、一生、忘れられないと思います。フォッサマグナなんてワード、日常生活で聞きません。

この一言で、私はさっちゃんに心を射抜かれました。ズキュン。


――これは、能力者を巡る日常と事件のお話。さっちゃんは、速く走ることができる【疾走】の能力者。

さっちゃんの【疾走】は、果たして、世界を救えるのか。読めばあなたもさっちゃんが好きになる！

本作は現代の日本を舞台として、特殊能力を持つ主人公がトウキョーの本部からオーサカ支部に左遷されることから始まる物語です。
不本意な異動に憤慨する彼でしたが、支部で出会った個性豊かな能力者たちに囲まれ、いつしか掛け替えのない絆を築いていきます。
しかし、そんな彼らの周囲で不審な事件が巻き起こるとき、隠された陰謀が牙を剥こうとしているのでした。

本作自体はまだシリーズの一部のようですが、主人公の突き抜け具合や能力がユニークです。
また、非常に読みやすくスムーズに進んでいくため、作品に引き込まれること請け合いだと思います。

主人公のナルシズムがパーフェクトな感じで爆発して物語は進みますが、
それに負けず劣らず個性的な登場人物が一杯！

と、キャラの印象強さばかりではなく、
能力者を題材に展開される物語と、
この作品も大きな物語の一篇なのかと思われる世界観の広がりが楽しめます。