殴られたような気分になった静かな物語なのに揺さぶられたどちらも「海のどこかにいるだろう」だけど鯨の方がまだ見つかりやすいという認識実感が持てないから宙ぶらりんで苦しそうまるで海の中にいるみたいでどの方向に進めば正解なのかわからないそこにいたのが彼でよかったこんなにも救われた気持ちになったのは彼が行動を起こしてくれたから本当にありがとう
海辺の町に生まれ育った「私」は、結婚してから、久しぶりに帰郷する。一人で砂浜へ行った「私」は、ふと、父親のことを思い出してしまう。描かれる光景と主人公の心情が溶け合う作品。青い海の美しさとともに、そこに潜む怖さも、しっかりと直視しています。一つの出会いが、彼女にとって転機となる様子が、繊細に描写されています。硬くなった心がほどけるような読後感でした。
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