逢魔が刻の一ツ星

作者 スズヤ ケイ

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106人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

今後の展開が楽しみです。
今後の展開ですが、九尾の狐を討って終わりになるのか、おろちの本当の宿敵
天津神との闘いが新たに始まるのか、天津神との闘いになれば、古事記や日本書紀にない新たな神話の誕生に期待で胸膨らみます。

連載のつづき楽しみにしています。

★★★ Excellent!!!

 読者諸兄姉の諸君、私が今までに呑んだウヰスキーの中で最も美味だと感じた銘柄は、サントリーの『響』である。
 件の『響』は、同じくサントリーの『白州』と『山崎』をブレンドしたものだ。
 ウヰスキーの語源は、ゲール語で『命の水』との意味だそうだが、きついアルコール臭もなくするりと体に馴染む味わいはまさに完璧。
 今回御紹介する『逢魔が刻の一ツ星』は、『響』の如く非の打ち所の全く無い、まごう事無き完璧な作品である。


 妖怪変化が跋扈する平安時代に似た異世界が本作の舞台。
 一人の老琵琶法師が演目を披露する所から始まる。
 その後、盲目の琵琶法師が体験する悍ましき百鬼夜行……。

 最初の頁を読んで頂ければ理解出来る筈だ。
 そう、封切りから全てが完成されているのである。
 文章作法が完璧なのは勿論、歴史と神話に深く踏み入った設定、時代考証は、昨今のなんちゃって和風ファンタジーとは明らかに一線を画す出来だ。
 それに加え、作者の豊かな筆致と時代がかった口上が、驚くほど滑らかに物語を彩って行く。

 今作品の応援コメント欄には「古めかしい言葉・重厚な表現」などと云った意見が寄せられているが、幸いにしてカクヨムはウェブサイト。
 古めかしい言い回しや古語が解らなかったら、その都度調べる事が出来る。
 そして作中の語句を理解する度、作者の確かな手腕と奥深い世界観に唸らされる筈だ。

 物語の進行上、開始直後はやや硬い表現の割合が多いが、物語が進むにつれて諧謔味たっぷりの砕けた表現も多くなって来る。
 ここは一つ、私に騙されたと思って一献付き合って欲しい。
 何より、美味い酒は友とじっくり楽しむに限るからだ。


 あ、そうそう。
 私が『響』を呑み始めたら、ものの数日で空になってしまった事を付け加えておく。
 その理由は、芳醇な味や香りの他にアルコール臭を殆ど感じないからである。… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

 故郷を滅ぼされた少女・星子と、その身に妖刀・白星を憑依させ復讐する物語。

 他のレビューにも記載がありますが、まずはその文章。初っ端から『和』の世界に惹きつけられ、没入感は圧倒的。正直和風というより『純和』と呼びたいですね。


 ストーリーの方は冒頭から襲撃、窮地、そして妖刀との邂逅。序盤から緊張感のある怒涛の展開で息つく暇もなし。独特な世界観と共にどんどん引き込まれること間違いなし。

 道中で仲間と出会い、そして復讐を進めていく。
 『四 侵すもの』から迫力のあるシーンが多く、戦いの激しさも後半へ追うごとにどんどんスケールが大きくなり想像が掻き立てられました。反面ところどころ白星のキャラが立っていました。しかもこの妖刀、ちょっとお茶目で素敵。


 若干ネタバレにはなりますが、弱体化した状態から各地で力を集め強くなっていく主人公の姿はまさしく王道。それに伴い仲間も増やし星子の仇敵を討つ用意は着々と進んで行く。帝都侵攻では、いよいよ白星殿もフルパワー! 容赦ないシーンは待ってましたと言わんばかりの無双!!

 
 単語や言い回しなどが難しい部分もありますが、その意味を調べるのもこの作品の醍醐味。風景、心情、戦闘描写……どれも綺麗な文で構成されてあり、読みにくいということはありません。


 和の幻想復讐譚、非常におすすめです。

★★★ Excellent!!!

この作品の特筆すべきところはまず、文章だろう。これぞ「和」であるという文体は、作者の選び抜いた言葉とこだわりによるものだろう。
決してカタカナは使わず、言い回しも古風とし、けれど難解にはなりすぎず読みづらいということはない。むしろ重厚感のある文章によって和の世界は深みを増し、読み手をぐいぐいと作品の世界に引きずり込んで没頭させる。
殊に日本神話や伝承に詳しければ、登場する人物の名前にも、ああこれか、と思い、興味深く読めることだろう。もちろんそうでなくとも当然楽しめる作りというのは言うに及ばない。
そして殊更に魅力と謎ある主人公が、読み手を掴んで離さない。何を成すか、何者か。これだろうかと思うところはあれども、確信は掴ませない。そこがまた読み手の興味を惹くのである。
和が好きな方は必見です。ぜひご一読ください。

★★★ Excellent!!!

序章からぐいぐい引きこまれる文章。
いや、語りといったほうが正解なのかもしれません。
琵琶法師のうたや白星が舞をまう場面は、是非声に出して読んでほしい。言葉のリズムが良くて、とても心地よいです。

白星というキャラクターが、とっっっても魅力的です。美しくて頼もしいのに、どこか不思議で、畏れのある存在。
口調は現代語ではありませんが、またそこが良いです!

★★★ Excellent!!!

なんだこれ!とぐいぐい引き込まれる和風ファンタジー。書き方が本物の伝記のようでこんな世界があるでは、ないかと錯覚する作品でした。
気づくとどっぷり浸かってしまいますご注意を。

改善点
あるかー!レベルです!
お先に勉強させて頂きました。

企画上でなかなか全部読みきれていない、
理解が足りてない部分があります。
御理解頂けると助かります。

軽い参考程度に考えて頂けたら際です。

偉そうに意見しまして申し訳ありません。

執筆活動は大変だと思いますが微力ながら応援しております。

誰よりも海水を飲む人

★★★ Excellent!!!

まずはご拝読させていただき、誠にありがとうございます。全体的にも言葉選びが綺麗であり大変読みやすいです。世界観にも没頭しやすく登場人物の性格、台詞など繊細に作り込まれていることが良く分かります。復讐者としての主人公のキャラ性もとても良いです。これからの展開にも期待させていただきます!(*゚▽゚)ノ

★★★ Excellent!!!

山奥にひっそりと暮らす人々の集落。
結界で守られた集落の平穏は、不意に破られた。
刺客の手により、民は殺され、里は焼かれ、何もかもが奪われた。
生き残った一人の少女の身体も無残に斬り裂かれてしまった。
だが、彼女の想いに呼応し、その里に封じられた神器は目を覚ます。神器は少女の身体を器にすると、彼女の無念を晴らすべく歪に笑う。
かくして、彼女の復讐譚は幕を開ける。

雅な描かれるは風光明媚な和の光景。
豊かな自然の情景の中で少女は躍動する。
彼女の行く道に待ち受けているのは、鬼か邪か。
彼女たちと共にその世界の運命を確かめよ。

この世の全ての命が息吹き、色づき巡る古風ファンタジー。

★★★ Excellent!!!

隠れ里の長の娘、星子は家族と離れ、魔性のものとして封じられた白鞘の刀に舞を捧げる日々を送っていた。しかし静穏な日々と家族は、突如としてやってきた敵によって奪われる。星子は復讐を誓い――そんな彼女に、封じられていた魔性が取り引きを持ちかけて、展開が動き出します。

星子の体に宿り、白星と名乗る魔性は、星子が望んだ復讐の準備を整えながら旅をする。魔性と言うだけあって、敵対したものには容赦をしない白星ですが、道中で出会った獣たちと仲良くなったり、星子が得意とする舞を舞ったり、金銭感覚が乏しいせいで問題を起こしかけたりなど、可愛らしさを感じる面も持ち合わせています。

和の雰囲気に満ちた硬派な文章で紡がれる、白星と星子の旅と、復讐の行く末。恐ろしさも美しさも紙一重で持ち合わせた、一等星のような輝きを放つ魔性の活躍を、ぜひ目に焼き付けてください。

★★★ Excellent!!!

深山の静謐で美しい描写から始まるこの作品。
導入たる第一話では、おそらくメインとなるであろう、ひと振りの神剣と少女の邂逅が、和の韻律で語られ、読み手をぐっと引き込んでいく。
邪気を祓わんと捧げられる舞い。
神域を緻密に囲む結界の陣。
地脈を読んで精緻に配置されたふもとの山里。
そこに踏み込んでくる不穏の芽。
ウイリアムテルの序曲のように、今まさに、かき曇る情勢・・・・・・
止まらない予感と、いやが応にも高まる期待。
ぜひ、連載序盤からご一緒しましょう!