王道の純和風復讐譚

 故郷を滅ぼされた少女・星子と、その身に妖刀・白星を憑依させ復讐する物語。

 他のレビューにも記載がありますが、まずはその文章。初っ端から『和』の世界に惹きつけられ、没入感は圧倒的。正直和風というより『純和』と呼びたいですね。


 ストーリーの方は冒頭から襲撃、窮地、そして妖刀との邂逅。序盤から緊張感のある怒涛の展開で息つく暇もなし。独特な世界観と共にどんどん引き込まれること間違いなし。

 道中で仲間と出会い、そして復讐を進めていく。
 『四 侵すもの』から迫力のあるシーンが多く、戦いの激しさも後半へ追うごとにどんどんスケールが大きくなり想像が掻き立てられました。反面ところどころ白星のキャラが立っていました。しかもこの妖刀、ちょっとお茶目で素敵。


 若干ネタバレにはなりますが、弱体化した状態から各地で力を集め強くなっていく主人公の姿はまさしく王道。それに伴い仲間も増やし星子の仇敵を討つ用意は着々と進んで行く。帝都侵攻では、いよいよ白星殿もフルパワー! 容赦ないシーンは待ってましたと言わんばかりの無双!!

 
 単語や言い回しなどが難しい部分もありますが、その意味を調べるのもこの作品の醍醐味。風景、心情、戦闘描写……どれも綺麗な文で構成されてあり、読みにくいということはありません。


 和の幻想復讐譚、非常におすすめです。

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