第18話 花見の宴

加納家の日本庭園には青々と

した茣蓙が引かれ数人の老人の

集まりと、見るからに商社マン

奥様方の集まりそれに

独身男性や女性がそれぞれの

グループのテーブルに座っていた。



美奈が奥様グループを指さし


「ね、ね見て見てウケル👉

指よりデカい指輪💍いらんくね?。

料理する時ど━━━すんの‼」



悠里は答える


「多分料理とかしないと

おもうよ。」


「いやいやいやアレアレ👉

あの眼鏡のキラキラも要らんくね?」


悠里は答える

「多分ギラ系が好きとおもうよ。」


香苗もケラケラ笑いながら指を指す。


「ねえ~流石に金持ちアピール

激しくね!

皆貫禄あるワ

ぜ━━━━んぶブランド物だし」


悠里は答える

「多分ブランド物しか

持ってないとおもうよ。」



コラッ\\٩(๑`ȏ´๑)۶//

本雇われの家政婦さんが

叫びまくる。

「早く座敷にも座布団運んで!

今日は桜佑様のお見合いも兼ねて

いるんだからね‼

お相手様が見える前にさっさと

片付けてね‼」



エッ!?「お見合い?」


悠里はビックリした。

「桜佑が・・・

お見合い?」


は━━━い、急いで急いで



「そうよ、会長が決めたお見合い‼

早く、お部屋セッティングして‼」


悠里と美奈は追い立てられながら

小走りで座布団部屋に急ぐ


赤い牡丹柄の座布団を抱えながら

桜佑と着物を買いに行って

初めてみた赤い振袖の牡丹の柄を

こんな時思い出す?。


「お爺様には気に入られて

無かったんだ。

仕方がない!

遅かれ早かれこうなる事は

覚悟していた。」


砂を噛むような心苦しさと

三上の子じゃない諦めと

桜佑を遂に失う寂しさで

悠里は辛かった。


でも加納の門をくぐった時の16歳

じゃない。

来る時が来た・・!

そう思った。


「しっかりしなきゃ‼」

積み重なった座布団を抱え直して

ドッコイショ悠里は前をむいた。



花見の席から、汚れた食器が

山積みで帰って来る。


デカいシンクに漬け込んで洗い

食洗機にかける。


ステーキ用のシルバーをホール

(フォークやナイフ)

スタッフが運び出す。


お見合いの席にはメインのステーキ

が、お呼ばれの様だ。


食事は、進みいよいよデザート

の時奈美がケーキをホール事

滑らして

落としてしまった。


デザートシェフは帰ってしまい

他の料理人は外のお客様に

料理の説明に出払っていた。


青くなる美奈はガタガタ震えて

泣き出した。


悠里は咄嗟に叫ぶ

「餡子ありますか?」

バタバタと

と言う声を聞く‼


「ホイップクリーム3対7

で混ぜて」


悠里は米粉で薄焼きのホットケーキ

の様に丸く焼く。


「イチゴ、半分に切ってください。」


米粉の皮に餡子クリームを乗せ

両端を折りイチゴとラズベリー

で飾ってミントの葉を乗せた。


「うわぁぁぁ美味しそう」


「食べたーい」

そんな声が上がった。


デザートは直ぐお見合いの

テーブルに振る舞われた、高評価

と厨房に伝わった。




座敷の襖が開き桜佑と

髪を結い上げた綺麗なおネーサン系

の優しい微笑みを浮かべた

彼女が出て来た。


着物はオレンジ系の桜の花や

小花がチラチラ見えていて

帯はシルバーの華やかな飾り結び



桜佑はストライプ柄の紺のスーツ

2人並んで花見をされてる

人の所へ歩き出した。



大拍手や、冷やかしのピューピュー

頭をかいている桜佑も満更じゃ

無さそう。

桜佑の腕には彼女の腕が添えられ

仲睦まじいご様子。



「綺麗ね」

香苗が口走る。


「うん。」

悠里は元気なく答えた。


美奈と香苗と美津と悠里は

デザートの件で

こっぴどく叱られたが

あのデザートは

評判が良かったから

又厨房で四人でセッセセッセ

と作る羽目になった。

バイトは四時迄続いた。


「悠里ありがとう。

借りが出来たな!

困ったら何時でも頼って‼

私、力になるよ。

今日はありがとう。」


そう言うと4人はいつ会えるか

分からない別れを惜しんだ。




長い1日を終え悠里はマンションに

帰っていた。


そう、この1年で悠里はやらなければ

ならない山ずみな事がある。

11月一日付で此処を引き払わ

なければならない。


それは、桜佑に悩ませないように

気遣ってマンションを悠里が出なければ

ならない。

就活をし、引越し先を見つけ

引越し費用を算出し

加納家のあのジジイに

5年住んだマンションの家賃の

返済計画を作って提示し

分割で支払う旨を伝えて

キッパリと縁を切らなければ

ならない。


しかし、支払うべき金額が

デカ過ぎる。

あの時野宿でもしていたら良かった

と後悔する。¥21600.000

家賃30万らしいし12ヶ月の6年分


お爺様の物件でタダではあるが

三上の本当の娘じゃない‼

ジジイ様は仕方なく

貸してくれてたし

お金も徴収しなかった。

これ幸いと、なあなあにする気

はない。

話し合いで金額を決めて貰おう。



その日桜佑から今日は実家に

泊まるとLINEが来た。


悠里の脳裏にはあの彼女が浮かんだ。


”分かった、

もう帰って来ないでもいい!”


イライラしていたのかもしれない。

こんな時の解消法を悠里は

知らない。

まだまだ純粋な乙女

ドロドロとした怨恨はまだ経験が

ない。




あの二人を思い出すと抑えていた

感情が湧き上がって来る

本当に今日は抑えれそうに無い‼


今までの苦しいとか、悲しいとか

そんな感情じゃない。

魂の中から苦しい喉を掻き切る

ような激しい感情‼


そうそれは、世に言う嫉妬

本当はあの二人を後ろから

飛び蹴りして


「この人の妻になるのは

ワ・タ・シ・

ドケ🐾ボカッオバサン‼」


キツ

「桜佑、いつから裏切った

アンタの事、信用していたのに

ガツン」

頭付きを咬ませてやりたかった。

でもそこはグッと耐えた!

その理由は、


『桜佑は20歳になる迄

許婚でいよう。』


そんな約束を交わしていたから。


今年11月悠里は20歳‼

もう桜佑の中では期限が切れて

るのかもしれない。

7ヶ月先延ばしにしても意味が

無いのか?


桜佑のLINEは帰って来なかった。

あの美女に骨抜きにされたのか‼


桜佑なら有り得る。

もういい大人何だから・・・


ホテルでも行ったか

ライオンは獲物を見たら爪を

隠して飛び掛るやないか!

飛びかかってんのか?

ギャンギャン言わせてんのか~

(ꐦ°᷄д°᷅)👎🏻


私との約束を破棄して迄

アイツは馬鹿か‼


今頃は・・・

オツカレオツカレ

私には関係ないや!


あ~んな股の緩いオトコ

コッチから願い下げ

私がその気になったらアハハハハ


アハハ・・・

やめとこ

負けずぎらいが惨めすぎる~٩(×̯×)۶














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