第22話 毒親の毒の値段


一億円、二億、飛んで三億円

( ꒪Д꒪)

なんという金額‼


三億円の許婚破棄‼


自転車を、押してトボトボ歩く‼

グスングスン

自然と涙が溢れて来る!


自分が存在するだけで加納の

家に迷惑をかける。


どうすんの?

なんでなんで上手く

行かないのかな


カンカンカンカンカン

踏切に差し掛かり

電車が通過するのを

ボーッと眺める。


足が震えて飛び込め無かった

首と体はつなげておきたい。

踏切自殺は凄く人に迷惑を、

かけると聞いた。

お金もかかるらしいし


やめておこう。

死んでまで迷惑掛けたくはない。


この交差点はどうだろう

悠里は信号が赤に変わる寸前

自転車を、踏み出した




「🚚バキャロ━キキ━━━━━ッ💨

死にて━━━━━のか💢💢

迷惑かけないトコで4ね‼

お前をコロした奴は交通刑務所

にやられるんだぞ

前方不注意でな‼〃」



「す、すみません‼」


「すみませんで済むなら

警察なんか要らね━━━━┉んダヨ

分かったか‼💢💢

人生の最後まで迷惑かけんな💥💢💥

ボケェ━━━━🖕4寝」



大型トラックに乗った50位の

おっちゃんにしこたま怒られ

てしまった。


確かにそうだ、知らない人に

迷惑かけるよね。


しかも

4寝って言われても困るじゃん。

死に場所すら与えてもらえない。


悠里は仕方なく桜祐の待つ

マンションへと帰って行った。

今帰るとこはやはり

ここしか無いし



死ぬのは何時でも出来る

ギリギリ迄

頑張って見ても良いか‼

死ぬ生きるは後で考えればいい

死ぬ事も大変なんだと

悠里は気付いた。



「只今~桜祐なんか食べた?」


慌てて飛び出して来た桜祐は

「何処うろついていたんだ💢💢

あれから2時間だぞ‼

警察に行くとこだったんだ💢💢


電話も出ないし、ラインも

見ないのか‼💢💢」



「あっ💦💦ゴメンゴメン

ダイエットで公園走ったりしてて

そんな遅くなった(笑)?」

そんな嘘も口から飛び出る。



「全く‼

それならそう言えよ

心配するだろ‼」



「あ、そんな心配するって思わ

無かったし本当ごめんなさい」


桜祐の暖かさを感じながら

自然と涙が溢れた、


プンプン湯気上げて怒っていた

桜祐もハッとして



「いや、いや、ゴメンつい

怒ってしまって

怖かったか?

ゴメン心配してたから

悠里が嫌いでは無いんだぞ‼」


「うん。

分かってるよありがとう。


桜祐大好き‼」


悠里は桜祐に抱きついた、桜祐は

小さな悠里を、抱きしめながら

「チエッ、これで誤魔化した

とか言うなよチュッ」

そう呟いた。


キスも知らない悠里は、大胆にも

桜祐の唇にブッチュッ


(ʘ╻ʘ)!桜祐はビックリ仰天


「おっ、お前から?

そんな事したら・・・

オレ」



悠里は桜祐をウルウルと見つめ

静かに頷いた。


もう止まらなくなった桜祐は

悠里を抱き抱えベッドに向かう。


悠里も反抗はしなかった。

さっき自殺しょうとした体だ

せめて好きな人と結ばれたい、



あと少しで桜祐とは別れなければ

ならない。

なんせ毒親の借金は

アッと驚く年末ジャン〇宝くじ並

の金額


悠里が返せる額では無い‼

桜祐との別れは確定‼


それならいっその事

桜祐を、体に刻みたい!


その夜の時間は長く甘く流れた。

悠里は育ての親の言葉が甦る!


「目を瞑りじっとしていれば

終わる、決して拒んでは

いけない。」



しかし悠里はじっとしていなかった

悠里も何回も桜祐を、求めて

しまった。


さっき交差点に飛び込んだ体だ

あのままだったら桜祐を、

求める事すら出来なかった。

大好きな桜祐に抱きしめられながら

悠里は、安心して眠りについた。


この幸せな夜が明けなければ

いいそんな夢を、見ながら・・



「悠里おはよう☀」



まだ寝ぼけながら桜祐は

悠里の体を引っ張り抱きしめた。


「悠里、やっと俺のモノに

なったな‼」



「今更、生まれた時から

私は桜祐のモノダヨ。」


又悠里と桜祐は求め合った

桜祐も今迄感じなかった幸せを、

悠里を、抱きながら感じていた。


「愛してる悠里、悠里」

と何度も囁きながら。




ただ流れていた2人の時間は

濃厚な物に変わった。


桜祐もより過保護になり

会社が終わると一目散に帰って

行った。


悠里のバイトの送り迎えように

白い軽自動車を、購入したりもした。

悠里も自動車学校に通い

スピード免許を、選び毎日

毎日バイト、自動車学校、大学

この生活に疲れきっていた。


そして10月が過ぎ明日は11月に

入る。



「悠里、誕生日だけど・・

何が欲しい?」



「一番欲しいのは桜祐ダヨ︎💕︎💕」


「ハイハイ、俺ね了解」


「ねえ取り決めしようよ~」


「ええ、今更かよ!」



「うん。

❶浮気はNGだからね。

「当たり前‼ 悠里も守れよ。」

ウン



❷女の子と2人でご飯禁止‼

「これも悠里も守れよ」

ウン


❸嘘はつかない事━━━━‼✖


「おう。了解‼」


「なら安心だね桜祐(*˘ ³˘)❤ちゅっ

じゃあ、バイト午前中だけ行って

来マース。



帰ってきたら誕生日してね笑」



「おう、俺も仕事終わったら

直ぐ帰るからな‼」


桜祐は悠里より一足先にマンション

を出た。



「うん。

約束ダヨ。」


「おう‼任せとけ!」

桜祐との朝の会話にニヤニヤ

今日のスーツも良く似合ってたな‼



「桜祐様、今日2時にグランピア

ホテルです。

お時間遅れませんように。」




「あ‼ スッカリ忘れてた‼

今日だったか・・

真壁今日急用が入って

キャンセルしてくれ‼

いや断ってくれ‼」



「ダメです。

今日は会長も行かれますよ‼」




「え?会長も!!」



「はい2時にですよ‼

会議は11:00に終わると田中から

聞いております。


もし


来られないならお迎えに

上がりますので。

では、後程!」



「あ💦、ああ、分かった。」


❷女の子と2人でご飯禁止

フッ別に2人で会うわけじゃないし

良いか‼





そう今日はバイトではなく

ホテルの面接の日だった。

桜祐に落ちたと馬鹿にされない為に

嘘をついた。


❸嘘はつかない事

まあ仕事関係だから、バイトも

仕事だし一緒、一緒‼



黒のリクルートスーツ姿で髪を、

結わえ明らかにバイトとは

違う姿。

グランピアホテルの事務が悠里の

狙い。



結構な人の多さにビビりまくり

悠里の面接は15:00頃無事に

終わった。


手応えはまあまあ

早く職を、見つけなければ

あのマンションも追い出されるのに

と焦る。





「あ━━━緊張した。」


面接が終わると張り詰めた糸が

きれたようにグッタリとなる。


ホテルのレストランでコーヒーと

サンドイッチを、食べる

ちょっとお高いけど

今日は誕生日だし御褒美御褒美


夜は桜祐がご馳走してくれる

らしいからお腹空かしとこう


そんなウキウキした気持ちを抱き

ながらサンドイッチを、パクリ


「うんまぁ~🤣い︎💕︎💕」


悠里は御機嫌だった。

桜祐と別れるまではあと1年ある

この1年は楽しい思い出を

沢山作ろうと思っていた。


お腹も膨らむと眠くなるのは

若者の特徴‼

悠里も例に漏れる事無く


ファ~。oO{眠ぃ…}


帰ろうかと腰をあげると

眠気も覚める光景が広がった。


ピンクの訪問着を着た目のクリクリ

した可愛い系の女性を連れた

背の高いビジネスショートの男性

目は涼しく男前、

朝来ていたスーツとは違う藍色系


誰もが振り向く美男美女‼

2人はエレベーターから降りて

来たらしく仲睦ましい。



「あ💦終わった~✖

今日がお爺様の言っていた

お見合いだったんだ。」


悠里は小さくつぶやいた。


2人は悠里のいるカフェへと

進んでくる。


悠里は腹を括った。


2人は珈琲を、注文して

目で見つめあって会話も

弾んでいた。



「へえ美沙希さんは、ゴルフ

やるの?」


「はい。桜祐さん今度父達と

回りましょうよ!

私話しておきますね。ウフフ」



「最近体なまってるからなぁアハハ

ゴルフで運動でもするかなアハハ」


そんな楽しげな会話が聞こえて来る。


悠里はゴルフなんか

したことが無い。


公園で、おばちゃん達がワイワイ

楽しそうな

ゲートボールは

見学したことがある。

”やらせてください!”

その一言が言えなかったなぁ




「仕方ない

これが上流階級のお嬢様か‼


ゴルフをやりたいと言えば

上から下までゴルフルックが

速攻揃ったりする。


悠里には無理だ

1本のゴルフクラブさえ買えない‼


それに彼女は、

桜祐を喜ばせ楽しくさせる

テク持ち

悠里はそんな喜ばせ方しらん。


私は何もかにも見放された

星の下に生まれたんだ


母に捨てられ

育ての親に捨てられ

加納一大にも見放され

最後には桜祐にも捨てられ

多分面接も落ちるだろう。



「もう無くすものなんて

何も無い・・。」


悠里はガタンと席を立ち

2人の席の前を通り過ぎた。



多分2人は見合いを、終えて

お茶でも・・・

の流れか‼





フッと振り向いた悠里に桜祐が

気付いた。

彼の目が( ꒪Д꒪)ヤバ…

と言っていた。


そんな桜祐に悠里は静かに


「女の子と、2人のご飯は

禁止ですよね。」


そう言いながらお辞儀をした。


それは別れの一礼だった。



遅かれ早かれその時は確実に

やってくる!


今迄諦める事しかして来なかっ

た悠里に桜祐を諦める事は

容易い事かも知れない。


手を伸ばし掴んだものを又

離すだけだ。


パッと離せば悠里だけ落ちていく!

簡単な一発芸じゃないか‼


そうすれば加納と、三上分家の

縁は切れる


加納家みんなが望んだ事

桜祐さえそれを望んでしまうのか?

私ってなんて迷惑な子だろう。



その証拠に彼は

追いかけて

弁解もしないじゃないか‼

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