第6話 貧乏は工夫の源
ガサゴソと食べた物をコンビニ袋
に投げ入れる桜佑。
悠里が弁当の蓋をしたのを
見た桜佑は
「ん、はい、それ食べないなら
頂戴」
桜佑は右手を出して悠里から
弁当を、受け取ろうとすると、
「あ💦これは明日の朝
食べるから・・・
取っとく‼」
弁当を抱き締めてブンブンと、
首を振る。
「はぁ?冷蔵庫も無いし、
食中毒になるぞ!
駄目だっ‼」
急に叱られた悠里は
バツが悪そうにしていたが
諦めたのか
「じ、じゃ食べてしまうよ。」
一度蓋をした弁当を開け
ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"と食べだした。
俺は多少・・・いや違うな
ズッシリと重い罪の重さを感じて
いて俺はガツガツと、食べる悠里に
唖然とした。
「明日バイト終わったら
冷蔵庫とベットと布団
電子レンジ、掃除機、カーテン
買いに行くから必ずウチに来い。」
そう言って座り慣れない
フローリングが痛かったのか
足のスネを撫で撫で‼
「コレ俺の電話番号」
ポイッと悠里の手に投げて
静かにゴミを持って出て行った。
まさかとは思うが弁当のカラをペロペロ
しないとも限らない、食中毒になれば
大変だだからゴミも置けない。
人に何か買って貰うという
習慣の無い悠里は発砲スチロール
の下から、通帳を出し
ハァ-と深い溜息を着いた。
「お金無いし、コレ使えば
又ご飯たべられないよ。
お金無いとは言えないし、
10万で全部買える理由が無い。
しかも電話番号もらっても
何処からかけろって言うの‼
今時公衆電話なんて昭和かってーの‼
何処にもないよ‼
電話なんか出来る訳ないでしょ。」
しがなく悠里は、バイトに行く前に
桜佑のマンションの
コンジエルシュさんに手紙を
渡して貰うことにした。
コンシェルジュさんは
「これ???・・を渡すんですね!」
と確認して来たので
「お願いします。」
手紙と言えどレシートの裏に
なぶり書き風。
"買い物には行けません。
もう構わないでください。
1人で頑張ります。
桜佑は自分の生活を楽しんで
クダサイ‼"
コンシェルジュさんも初めての
事に戸惑い気味。
悠里は淡々と
バイトの仕事をこなす。
朝から夕方まで・・・
自分で、生きなきゃいけない‼
生きる為、働かなきゃ
もう頼れる許婚は、居ないのだから・・・・
何時までも餌を運んでくる燕に
甘える訳には行かない‼
もう私は雛じゃないんだ!!
そう桜祐は毎日親燕のように
弁当を運んで来る。
桜祐は手紙を受け取った。
と言っても
レシートの裏に書かれた文字
を見る。
「フッ俺の誘いを断るとは
ふざけてるのか?」
コンシェルジュから
手紙を(レシート)受け取った
桜佑はムカついた。
クシャクシャと丸めるレシートにも
腹が立つムカムカ
パン粉¥98だけ
その日の夜、桜佑のマンションから
悠里の5階立てのマンションを
見下ろす。
桜祐は悠里の部屋へは
行かなかった。
あの狭いマンションで
悠里は浮浪者の様な生活をしてる
いや、俺がさせている。
「桜佑 早く(*˘ ³˘)♥ちゅっ」
茉緒が背中にキスをしてくる。
いつもなら甘い女の匂いに
飛びつく桜祐だが・・
ブンブンと首をフリ
考え無い事にしょうと思い直し
振り返り茉緒を抱きしめた。
がパッと茉緒を突き放した。
「どーうしたの?
何時もの桜佑じゃ無いよ~」
「ごめん、今日は帰ってくれ‼」
「え!!! 嘘でしょ
桜佑ヤルの好きじゃない。
どーしたの?」
「ちょっと用を思い出したんだ
すまない!」
茉緒は不服そうにじゃあ康二達と
遊ぶからプィッ
としながら出て行った。
俺は又悠里のマンションへと
弁当を買って出かけた。
これが桜祐の日常で、
やり残すと落ち着かない事に
気づいた。
\ピンポーン/\ピンポーン/
「はーい。」
ガチャ半分開けたドアを悠里は
バタンと閉めた。
「は?ムカ💢」
ガチャカチャカチャ
俺はドアを引っ張った!
ウッグググー
悠里も負けずと引っ張る
クソッグーググー
バアアア━━━━━━━ン‼
遂にドアは大きく開いた。
痩せ、ヒボケた悠里に負ける気は
無かった。
「勝ったぞ悠里!!」
桜祐は、悠里の部屋を見て
お、オット‼(⊙⊙)!!おったまげー
その日テーブルがあった。
悠里が工作で作ったらしい
ダンボールの箱が重なって
くり抜いてあった。
ネギの香りのする発砲スチロール
が ?
イスなのか二段重ねて
二組置いてあった。
「コレハ・・あへへへへっ?
ププ━(〃>З<)━ッッ!!!」
アハハハハアハハハハアハハハハアハハハハアハハハハ💦
俺はゴロゴロしながら
屁を吹き出してキャハハキャハハ
Buーpuー笑い過ぎる程笑った(笑)
クッサツにも関わらずギャハハハ
屁の音に笑いも加速する。 アハハハ
腹がよじれてよじれて堪らん!
しばらく笑いが止まらず一時間
くらい笑ったら、少しずつ
腹のよがりも収まって来た。
「アーッアーッく、苦しかった
マジ死ぬかと思ったワ、ハアハア」
ふと顔を上げると
玄関を向いたままジッとして
動かない悠里に気づいた。
「おい、悠里」
悠里は下を向いたまま動かない。
「悠里、どうした?悠里?」
立ち上がり振り向かせると
悠里は手を咥えたまま泣いていた。
俺は!!!ハッとして
悠里の口から手をひきだした。
余程強く噛んだのか手から血が
出ていた。
ティッシュさえなく
トイレットペーパーが1個
ダンボールの中ポッンとあった。
血を拭き取ると
今度は、又袖を噛みながら
泣いていた。
「悠里・・・ごめん。
泣かしたかった理由じゃない。
ただ・・・面白かっただけで・・」
「お金持ちのアンタには
分からない、あんな毒親に
育てられて、泣くと叩かれ
大人しくするように育てられた
私の気持ちなんか分からない‼」
ウッウッ
「お金無いなら工夫して
生きるしかないよ。
勉強するためにはテーブルだって
手作りしちゃ駄目なの
15の娘が1人で生きるって・・・
どうやって食べて行くか、
どうやって生きていくか、
考えて思い付いた事しか
分からないんダヨォ━━━━━━‼」
うわーあぁぁぁん
「あ、ああ、もう分かった。
ごめんごめん。
もう泣くな、な‼
お前は一人じゃ無いから
俺がお前を支える。
俺の嫁になる気で加納の家に
来たんだろ!」
ウッウッウッウッ「ば、馬鹿にしないで
人様の世話にはならない。
一人で生きるんだからぁー
アンタの世話にはならない。
アンタは断ったじゃない、
好きな人がいるんでショ‼」
そう言いながら寝室に
こもり大泣きしていた。
俺は酷い事をしたのか?
悠里が泣き止まない程?
🕒━━━━━1時間━━━━経過
トントン
「悠里、エクレアさん、
食べないか?
ミルクティーもあるぞ!
・・・・( ̄д ̄)・・・・
あ、ほらほらー
今日は唐揚げ弁当にサラダも
あるぞ!」
悠里からの返答は無い(´xωx`)
寝室のドアを少し開け唇だけを
出して誘ってみる。
肩を上下に動かして
まだ悠里は泣いていた。
俺の嫁になる為に来たと
言ったのに
なかなか頑固‼
あんなに泣くなら腹も減るはず。
「ご飯食べようか?
せっかく、テーブル作ったんだし
俺の椅子もあるし・・・な‼
な‼
ありがとうな俺の椅子も
工作で作ってくれて・・」
グズッグズッ
涙をいっぱい溜めた瞳で悠里は
振り向いた。
「いやぁ悠里、上手だなぁ
ちゃんとテーブルじゃん。
食べてみようぜ、ホラホラー
おいで悠里‼」
おいで👂”クィ?悠里は聞き間違いじゃ
無いかと思った。
〃アッチいってろ‼〃じゃないの
悠里は、”おいで”なんて言われた
事がなく、不思議な響に
つい振り向いてしまった。
俺は、ノラ猫を呼ぶように
餌でつる。
丈夫なダンボールを何枚も
重ねた悠里手作りの、テーブルは
恐る恐る腰掛けたが
以外に丈夫だった。
分厚いダンボールのテーブルに
ミルクティーと珈琲
唐揚げ弁当二個を並べた。
悠里と俺の分
もしかして悠里は俺と食べる
弁当の為にテーブルを作った
のかもしれない。
床に痛くて座れない俺の為に?
ネギの匂いも余りしない近くの公園で
洗ったのか?あれは強烈だった
痔になるかと思うくらい飛んだ
「おっ、俺、笑っちゃったケド
凄いな!
ちゃんとテーブルの役目果たし
てる。
悠里DIYのセンスあるん
じゃね?。
座り心地もイイよ!」
「ホント?(⌯ᵒ̴̶̷̥᷄ ᐜ ᵒ̴̶̷̥̥᷅ )」
悠里は、泣きべそかきながらも
話に食い付いてきた!
「ウンウン本当‼」
刺激しないように感激して
見せる。
悠里の顔からやっと笑顔がこぼれ
ホッとしている自分がいる。
認めたくないが悠里を
何時の間にか可愛いと
思っているのも本当だ。
ガリガリで頬のコケた
今にもぶっ倒れそうな悠里が
悲しいくらい可哀想に思えた。
声を出して泣いたら叩かれる。
悠里は泣きたい時は手を口に
入れて泣いていたのか?
聞いていただけで
桜佑も涙が出そうになった。
悠里の15年は壮絶だったんだろう!
親から離れた事だけで
幸せなんだろうか?
実家に帰りたいと聞いた事が
無い。
「可哀想に・・・」
ガツガツと食べる唐揚げ弁当
を見ながら俺は泣けて来た。
一心不乱に食いついている
今日も何も食べていないのか?
「ゆっくり食べろ!」
悠里の弁当にポンと俺の弁当の
唐揚げを落とすと、
悠里はビックリした
ように顔を上げて
(º ⌓º )あ、有難う。
桜佑は又ミルクティーを
開けて悠里の前に置いた。
「あ、ありがとう」
悠里は桜佑をポカーンとしながら
見た。
毎日、毎日、罪滅ぼしを
するように、悠里のバイトが
終わる頃をみはからい
弁当を抱えて悠里の
部屋へ向かった。
新しい扇風機を買って
ワザとキズを付けゴミ置き場
から拾って来たと嘘を付いて
悠里の部屋に持って行った。
悠里は俺が金を出す事を嫌う!
俺の世話になる事を嫌う。
然しそんな毎日が積み重なって
悠里も俺を待つようになった。
悠里と俺との距離が少しだけ
近くなって来たのを感じた。
暑い日が続く七月終わり
今年は長い梅雨が開けた。
悠里の部屋はドアを開けると
熱風がブワッと押し寄せて来る
ウッと息を止める程あつい。
急いで窓を開けて
蚊取〇香を炊く
扇風機を付けて一緒に飯を食う。
額から汗がハンパない。
「なぁ悠里、俺のマンションに
一緒に住まないか?
俺達は許嫁なんだ、気にする事は
無いだろ!
部屋も空いてる、三部屋あるし
好きな部屋を選べばいい。
鍵もつけてやるし・・・な‼」
ŧ‹”ŧ‹”(´⊙ч⊙`)ŧ‹”ŧ‹”
「ん?何で?
桜佑嫌がっていたじゃん。
無理しちゃダメだよ。
桜佑は、今同情してるだけなんだから。
間違っちゃダメだよ。」
汗拭きタオルを首にかけ、
フキフキ;;;;;;しながら飯をくう悠里は
俺の昔、言っ出たことを
ひっぱりだす。
冷たかったコー〇も
生温く感じる。
俺は短パンにTシャッ
悠里も同じ
昭和初期感が半端ない。w
ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"
「ホラ、俺ん家クーラーもあるし
冷蔵庫もデカいだけで
何にも入って無いし、悠里が
来れば色々入れれるだろー
アイスとか惣菜とか‼」
[ん~ヤめとく。]
「何でだ、セキュリティも
シッカリしてるし
見晴らしもいい。
夜景も綺麗だゾ」
[ヤめとく。]
悠里は一言でバッサリ!
俺は悠里を置いて部屋に帰る
すると悠里は電気をパチッ直ぐ
消す。節約の為すぐ寝て
朝早く起きて明るくなったら
勉強をするらしい
だから長居は出来ない。
「光熱費は加納家が
出してるんだから大丈夫だろう。」
「う~ン
光熱費少しでも
おさえたいんだ。」
桜佑に光熱費は自分で払ってる事は
言っていない。
最近優しくなって来たから
桜佑が出すって言うと思う。
言えない。
風呂にはさすがJK
ちゃんと入っているらしい。
固形石鹸とバケツと竹の棒?
街で貰ったらしいシャンプー
の試供品が
沢山脱衣場の箱に綺麗に
小分けしていれてあった。
25階から又悠里のマンションを
眺める。
俺はこんな涼しい所に
居るのに・・・
アイツは寝苦しい夜を過ごす
のか?
ココは高い分風通しも良い。
ヤバいくらい心苦しい。
生意気に俺を男と意識してるのか?
部屋は幾つもあるし
鍵も付けて良いって言って
るのに・・・‼
だって桜佑の部屋には
あの女性(ひと)が出入りしてるし
女の子なら彼氏が違う女と
暮らすのは面白くないはず。
"触らぬ神に祟りなし"
嫌がらせされるのは嫌だし‼
悠里は、だんだんと肉がつき、
とは言っても太ってはいない。
ガリガリゾンビ風ではなく顔も
モッチりしてきて可愛らしく
なって来た。
男の目に油断ならないJK
7月夏休みと同時に朝の配達を
辞めた。
ちゃんと一ヶ月前に辞める事を
伝えてスーパー、一本に絞った。
冷蔵庫、冷暖房完備、レンジ
テーブル ソファベットを購入
念願の携帯も購入‼
桜佑に月々1万円払えば
クレジット払いと同じで、俺が
買ってあげた事にはならない‼
と言われて月々1万円
桜佑の通帳に振込んでいる。
携帯を持っていない事を知った
桜祐は携帯を買ってくれた。
携帯の名義人は桜佑だ、
未成年には買えない。
Jkには学校からの連絡網とか
必要な事がわかったので
出世払いと言う文書を渡し
桜祐に買ってもらった。
設定も桜佑がしてくれた。
何故かGPSがついている。
今のJKはパソコン、携帯、大人
より詳しいのしらんのか?
学校の授業もパソコンなんやで
しかも機会オンチと勝手に
思ってるみたいだけど
中学の頃はパソコン部だった。
学校のPCはタダ
まあ、桜佑の為、知らないフリ
をした。
「男は立てろ‼」
育ての毒親がよく言っていたっけ‼
桜佑のコンビニ弁当は卒業した。
料理は元々大得意‼
桜佑が帰って来る時は手料理を
振舞っている。
桜佑は食事代と言って月々
3万悠里の通帳に振込んでくる。
今ではあんな毒親に育てられた
お陰で家事全般
アイロンがけから、料理迄
出来るようになった。
人生トントン説って有るんだな!
悠里は人気のYoutuberのファン。
言えない事や言っちゃいけない
事をズバズバ言い切る彼が
大好きだ。
あれから一回も桜佑の部屋には
入って居ない。
あのマンションは、あの
おネーサンのテリトリーな気がする。
許嫁は桜佑から断られてるし
行く意味もない?よね?
ん?ココで疑問・・・
何で桜佑は私のマンションに
くるんだ?
許嫁を断る程好きな彼女が
いるくせに?
金持ちの気まぐれか?
マンションを出ると言いながら
結局は住み着いている。
もう払いこなせないくらい住んで
いる。加納家の、嫁にはなれなかっ
たけど、お爺様とお祖母様の
介護は進んでしょうと思っている。
恩返ししないほど、気持ちは落ち
ぶれていない。
あんないけ好かないクソジジイ
だけど住む所を提供してくれて
いるのはあの加納家の、爺様だ。
でも桜佑の、逆鱗に触れれば
いつ、このマンションを
追い出されるか分からない。
私は桜佑の許嫁なんかじゃない。
三上の血は入って無いのだから
一歩間違えれば完全なる詐欺師
桜佑には成る可く関わらない
方がいい。
私が卒業したらこの関係は
消えてしまうんだし・・・
浴室で、バケツに服を突っ込み
落ちない汚れを棒でつつく
そう、まだ洗濯機が買えていない。
手で落ちない汚れは
棒でつついて落とす方法。
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