【コミカライズ】え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜
18話 【ユリウスside】ビッグボアとの戦闘 出し惜しみなしでいくぞ!
18話 【ユリウスside】ビッグボアとの戦闘 出し惜しみなしでいくぞ!
絶不調に見舞われているユリウスたち”黒き炎”。ジョネス商会長も不安に思っている様子だ。しかし、次の街への道中であるこのタイミングで護衛パーティを変えることなどできはしない。彼らに命運を託すしかない。
ジョネス商会長は、不安を押し隠しつつ馬車を進めていく。そして、彼の不安は残念ながら的中してしまった。大型の魔物が道を塞ぐようにして陣取っていたのだ。
「ユリウス君! 魔物が出た。任せたぞ!」
「はい。お任せください。ジョネス商会長は、後方で待機を」
ユリウスの指示に従い、ジョネス商会長が後方に下がる。
「いくぞ、みんな! ビッグボアだ。出し惜しみせずに全力でかかれ!」
ユリウスがパーティメンバーにそう指示を下す。ビッグボア。大きなイノシシ型の魔物だ。動きは単調だが、攻撃力が高い。それに、体力もある。ここは短期決戦を仕掛け、迅速な討伐を目指すことにしたのだ。
「……彼の者たちに祝福を。生命力強化、腕力強化、肉体強度強化」
メナスが支援魔法を発動する。ユリウスの指示に従い、3種もの支援魔法を重ねがけしている。しかし。
「おい、メナス! 出し惜しみはなしと言っただろう! 何をしている! たった3種とは、ふざけているのか!?」
「なっ!? これが俺の全力だ! 出し惜しみなどしておらん!」
ユリウスの指摘に、メナスがそう反論する。確かに、これがメナスの全力であった。Bランク支援魔法士としては、ごくごく標準的なレベルと言っていいだろう。ロイが異常だったのだ。
しかし、ユリウスの支援魔法士を見る目はロイが基準となっている。しかも、ロイのレベルをDランクとして、だ。
「メナス、いい加減にしろ! なぜ無能のロイにできたことがBランクのお前にできん! ……もういい! 残りの俺たちで何とかするぞ。ルフレ、ガレン、頼むぞ! シオンは弓で援護。リサは詠唱を始めてくれ」
ユリウスの指示に従い、槍士のルフレと斧使いのガレンがビッグボアの前に出る。
「はあっ!」
「ぬうんっ!」
ルフレとガレンが攻撃を加える。しかし。
「ブオオオオオ!」
彼らの攻撃は、ビッグボアにほとんどダメージを与えられていない。ただ怒りを買っただけであった。大暴れするビッグボアに、ルフレとガレンは為す術もなく防戦一方になる。シオンが弓で攻撃を仕掛けるが……。
「くっ。ボクの弓じゃ、牽制にもならない……」
ロイの支援魔法がない今、シオンの攻撃力はガタ落ちしていた。低級の魔物であればともかく、ビッグボアのような大型の魔物相手にはほとんどダメージを与えることができない。
「は、はやく攻撃魔法の援護を頼むのである!」
「その通りですね。いつまで詠唱がかかっているのですか、リサさん」
ルフレとガレンがあせった顔でそう言う。
「……貫け、氷槍! アイシクル・スピア!」
リサの詠唱がやっと終わる。氷の槍がビッグボアを襲う。しかし。
「ブオオオオオ!」
やはり、大したダメージを与えられていない。ロイの支援魔法がない今、リサの攻撃魔法の威力もガタ落ちしていた。
「まだだ! はあぁ! 火炎斬!」
ユリウスが剣に炎をまとわせ、ビッグボアに攻撃する。今度こそ、ビッグボアに一定のダメージを与えることに成功した。……引っかき傷程度だが。
これでは、ビッグボアにとうてい勝てそうにない。彼らはいったいどうなってしまうのだろうか。
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