概要
昔々あるところにおじいさんとおばあさんがおりました――
から始まる桃太郎の物語。
けれど、この桃から生まれた桃太郎、剥いた桃のように瑞々しく美しい青年へと成長しましたが、まさかの桃嫌い。
物心がつく頃には『桃』太郎と呼ばれるのなんて以ての外と「どうか俺のことは『太郎』と呼んでください」と名付け親であるおじいさんへ懇願する始末。口にするのはもちろんのこと、見るのも嫌らしく、おばあさんが来るべき日のためにとこっそり用意していたであろう、桃柄の陣羽織も日の目を見ることはありません。
そんな彼が出会った仲間は、犬、猿、雉の三人。といっても動物ではありません。山犬のように猛々しい者、猿のように身軽な者、そして、雉のように艶やかな者。
ちょっとした事件に巻き込まれつつ、流されるように
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!老若男女に愛される、新たな桃太郎現る!
昔々あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました。この書き出しは昔話の典型です。そして、桃から生まれた男の子といえば、誰もが桃太郎を想起しますよね。だからこそ、主人公の桃嫌いという設定に驚かされます。
おじいさんとおばあさんに大事にされたためか、ピュアで健気な美少年に育った太郎。世間知らずで無自覚に男女を魅了する姿がとにかく可愛いです。思わず第三者が赤面してしまうほど初々しい。そして、太郎の貞操が心配になる様子に同意してしまいます。
コミカルで楽しい和風ファンタジーを彩るのは、犬猿雉ポジションのキャラクターたち。斬新なストーリーに一気読みすることでしょう。 - ★★★ Excellent!!!誰も知らない新訳桃太郎。桃から生まれたのに桃嫌い?
日本人なら誰もが知ってる昔話、桃太郎。それを大胆アレンジしたのがこの作品。桃から生まれた桃太郎が、犬猿雉をお供にして鬼ヶ島に行くという大筋の流れは同じなものの、全体的な雰囲気はまるで別物。
桃太郎の生い立ちや仲間達との出会いが細かく書かれていて、昔話というよりは、架空の時代を舞台としたひとつのといった方がしっくりくるかも。そしてその仲間達なのですが、タイトルにもあるように、非常に癖の強い者ばかり。だからこそ、仲良くなっていく過程がそれぞれ見応えあって、結ばれていく桃太郎との絆に、BとLのつくあの展開が好きな方なら、思わず想像力を書き立てられるかも?
そしてこれもタイトルにありますが、本作…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これはBL? 誰も知らない、桃太郎の物語。
誰もが知っているお伽噺『桃太郎』。
桃から生まれた男の子が鬼を退治するお話ですけど、本作の主人公も桃から生まれました。
しかし彼、にもかかわらず桃が大嫌い。どうしても受け付けないのです。
桃太郎なのに桃嫌いって、どうしましょうかこれ?
で、そんな男の子はやがて、女性はもちろん男も魅了する美少年に成長しました。
重要なのはこの、『男も魅了する』の部分です!
桃太郎でいうところの犬ポジションの青年、白狼丸や、猿ポジションの飛助など、仲間との友情を育んでいく桃太郎。だけど見ようによってはそれは、BLに見えないことも無いような……。
けどもしも本作が本当にBLだったとしても、コミカルでホロリと感動…続きを読む - ★★★ Excellent!!!BのLじゃないかって?
ある日、桃から出てきた赤ちゃんは、すくすく育って、やがて鬼退治に行きました……という桃太郎とは、一味二味もちがう展開が待つ、桃から生まれた「太郎」の物語が本作。
するする読みやすい文体で展開する、コメディ要素たっぷりの和風ファンタジーです。でも太郎の出生には、深い事情もあったりして……。
美男でもある太郎は、男女問わずモテます。モテますがピュアボーイなので、熱心なアプローチも肩透かしといいますか、うん、なんかごめんってこともあって、ひたすら真面目で仕事熱心、「みんなの太郎」なのです。
なの、で、す、が!
恋の場面もしっかりあります。むふふ。あーらら♡
なにがどうなってああなってこう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!誰もが知る桃太郎をベースにしつつも、新しい驚きがいっぱいの物語!
むか~しむかし、のおなじみのフレーズで始まる桃太郎。
おじいさんとおばあさんは、ある日、川から流れてきた桃を拾います。
そして桃から生まれた可愛らしい赤子を大切に慈しんで育てるのですが……。
――なんと、桃太郎は桃が大嫌いだったのです。
えっ!? 桃太郎なのに!? なんで!?Σ( ゚Д゚)
と思った時にはもう、作者様の術にハマったも同じ。
するすると読みやすい文章に誘われるままにどんどん読み進み、桃太郎改め太郎や、彼の周りに集う白狼丸や飛助が繰り広げる楽しいやりとりにどんどん魅せられていくことでしょう( *´艸`)
なるほど! そうだったのか! と驚きも随所に用意されている今作、ぜ…続きを読む